階段の上りの股関節の痛みでお困りの方へ。
こんにちは。
愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。
現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。
姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。
Contents
はじめに
今回は階段の上りでの股関節の痛みの原因と治療法について解説をしていきます。
病名で言うと変形性股関節症や股関節の関節唇損傷、股関節炎、臼蓋形成不全、大腿骨寛骨臼インピンジメント（femoroacetabular impingement：FAI）の方が当てはまると思います。
このような病名で階段の痛みでお困りの方も多いともいます。
このような診断がついていても実際には骨の問題ではなく筋肉や筋膜に問題があることがほとんどです。
もっというと関節の動きの問題です。
動きが悪くなることで周りの筋肉や筋膜に負担がかかり痛みが出ているという事です。
今回はそれを紐解いて階段を上る時の動きと邪魔をしやすい筋肉を説明します。
今回の内容で全ての症状が良くなるわけでは無いですが「病気だから」「骨が変形しているから」と諦めずに、参考にしてみて下さい。
股関節ってどうなってるの？
まず初めに股関節の構造の話を簡単に説明していきます。
股関節は「大腿骨」を言われる太ももの骨と「骨盤」で構成されます。
大腿骨の上部はボール状になっていて、骨盤はそれを受けるように丸いくぼみになっています。
大腿骨が球状になっている事で股関節は可動範囲が大きく自由度の高い関節になります。
股関節ってどんな動きがあるの？
次に股関節の動きについて説明します。
股関節には「屈曲」「伸展」「外転」「内転」「外旋」「内旋」と呼ばれる6つの動きがあります。
一つずつ説明していきます。
「屈曲」はお腹と太ももを近づけるように太ももを前に出して股関節を曲げるような動きです。
逆に「伸展」は太ももを後方に伸ばすような動きです。
「外転」は太ももを外側に開く動きのことを言います。
逆に「内転」は太ももを閉じるような動きのことを言います。
「外旋」は股関節を中心につま先を外側に向ける動きのことを言います。
「内旋」は逆に股関節を中心につま先を内側に受ける動きのことを言います。
どんなに複雑そうに見える動きでも股関節にはこの6つの動きしかなく、これらが複合的に組み合わさって動作が行われています。
逆にどんなに単純そうに見える動きでも、実際には屈曲と内旋など、いくつかの動きが組み合わさっています。
なぜ階段の上りで股関節が痛くなるの？
ここからは階段でなぜ股関節に痛みが出るのかを解説します。
階段の痛みと言っても、様々な場面で痛みが出ると思います。
その中でも今回は脚を挙げた時、もしくは上がろうと踏んばった時の痛みについて書いていきます。
脚を上にあげる動きは先ほどの動きで言うと股関節の屈曲になります。
今回の階段上りで痛みが出る方はこの屈曲の可動域制限がある可能性があります。
この可動域制限がある状態でそれ以上に曲げることで関節に負担がかかり痛みが出ます。
踏んばる時にはさらに力を入れることで痛みが出やすくなるという事です。
関節に負担がかかるという事をもう少し細かく説明します。
股関節の屈曲の制限になる筋肉はお尻や内ももの筋肉が主になります。
今回はお尻の筋肉が硬い場合の説明をしていきます。
少し難しいと感じるかもしれませんが、お付き合い下さい。
先ほど股関節は大腿骨がボール状になっていて球関節になっているというお話をしました。
その為、臼蓋の中を回転し、可動域の大きな関節になっています。
しかし、それは回転の中心（軸）が中央にある時です。
殿筋が硬くなると回転中心が後方にズレます。
回転中心がズレると球体とはいえ回転時の半径が大きくなります。
これによって関節がスムーズに動かなくなり、可動域制限の原因になります。
この可動域制限がある状態で階段のように股関節屈曲で体重をかけると関節や筋肉の負担が大きくなり痛みが出るという事です。
股関節屈曲の可動域をもどすには
つまり今回の股関節の痛みを改善させるためには股関節の屈曲を改善させる必要があります。
股関節屈曲の可動域制限の原因になる筋肉はいくつかあります。
その中でも今回は実際にもよく遭遇する殿筋について解説します。
主には大殿筋・中殿筋と呼ばれる筋肉ですが、さらにその奥にある外旋6筋（梨状筋・上双子筋・下双子筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・大腿方形筋）と呼ばれる筋肉も影響します。
これらの筋肉は股関節の後方にあるため股関節の屈曲の制限をかける筋肉になります。
今回の階段の痛みを改善させるためにはこれらの筋肉のｋ柔軟性を改善させる必要があります。
大殿筋・外旋６筋の緩め方
では、臀部の筋肉をどのように緩めていくかですが、それほど難しくありません。
準備するものは野球ボールです。
軟式でも硬式でもどちらでも大丈夫ですが、硬式の方が硬くて効果が出やすいです。
その代わり少し痛いかもしれません。
仰向けで寝た状態でお尻の下にボールを置いてください。
この状態でボールに圧をかけながらお尻を上下左右に動かして下さい。
特にゴロゴロと硬さを感じる場所や痛みが強い場所を探しながらリリース（ほぐ）して頂くと良いと思います。
大殿筋と外旋6筋を分けられると良いのですが、なかなか自分では難しいと思うので、硬さや痛みで判断して頂いて構いません。
硬く感じる部位やボールが当たると痛い部位が硬い可能性が高いのでそこの中心にリリース（ほぐ）
して下さい。
あえて言うのであれば外旋6筋の方が下の方にあるので少し下の方までリリース（ほぐ）してみて下さい。
うまく緩められているか確認したい方はほぐす前にこのように痛みのある方の膝を抱えてみて下さい。
多くの方が痛みのある方が硬い、もしくは股関節前方につまり感があると思います。
ほぐした後にも確認してみて下さい。
うまく緩められていればつまり感が減るもしくは可動域が広がるはずです。
まとめ
今回は階段の上りの股関節の痛みについて解説しました。
激痛ではなくてもこのような痛みでお困りの方も多いのではないでしょうか。
困りながらも病院に行ってもリハビリなどはなく湿布と痛み止めでどうしたらいいのかわからない。
と悩まれている方もみえると思います。
いつも言いますが、痛みがある以上は原因は必ずどこかにあります。
今回の股関節の屈曲の改善方法でも他にいくつもありますし、もしかしたらあなたの階段の痛みは股関節の屈曲以外の問題かもしれません。
そういったことは正直ご自身だけで原因を見つけることは難しいと思います。、
なので、今回の内容を試して頂いても痛みが改善されないという方も諦めずに専門家に診てもらってください。
どこかに原因はあるはずです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
柔道整復師 服部 耕平