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肘外側の痛み「テニス肘(外側上顆炎)」でお困りの方へ。

こんにちは。

愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。

現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。

姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。

 

Contents

はじめに

 

今回は肘の外側の痛みで有名な外側上顆炎について解説をしていきます。

いわゆるテニス肘ですね。

 

このテニス肘も整形では主に使いすぎと言われてサポーターや痛み止めが処方されると思います。

しかし、それだけでは根本的な原因を解決できないと考えています。

安静と再発を繰り返し経験されている方もみえるのではないでしょうか。

この研究所ではテニス肘を少し掘り下げてテニス肘の細かな原因と再発防止の為にはどうしたら良いのか、という部分を解説していこうと思います。

 

テニス肘(外側上顆炎)とは

 

テニス肘は手首や肘に負担のかかる動作を繰り返す事で肘~前腕の外側にかけて痛みの出る疾患を言います。

ラケットでボールを打つスポーツに多く、その中でも特にテニス愛好家の罹患が高いためテニス肘と言われています。

しかし、実際にはスポーツ以外でも仕事や日常の家事が原因になるケースも少なくありません。

 

症状が進行すると鞄を持てない、コップを持てないなどの日常生活にも支障をきたします。

 

テニス肘の症状は?

 

症状としては

 

  • テニスなどスポーツ時に肘外側に痛みが出る
  • 手首を反らすと痛みが出る
  • 掌を下にして物を持つと痛みが出る
  • タオルを絞る時に痛みが出る
  • パソコン作業で痛みが出る
  • 肘を伸ばすと痛みが出る

 

などの症状があります。

 

 

肘の構造

ここで簡単に肘の構造を説明したいと思います。

 

肘は上腕骨と呼ばれる肩甲骨に連携している骨とその上腕と関節する橈骨と尺骨から構成されます。

 

動きとしては曲げる「屈曲」、伸ばす「伸展」があります。

 

これに加えて肘を曲げた状態で掌を下に向ける「回内」、上に向ける「回外」があります。

 

 

さらに今回のテニス肘に関係する筋肉を少し紹介します。

 

肘の外側には上から順に「長橈側手根伸筋」「短橈側手根伸筋」「総指伸筋」があります。

 

テニス肘の痛みを出しているのはこの3つの筋肉が関係しています。

これらに共通するのは回内位で伸ばされるという事と、肘を伸ばす筋肉という事です。

 

これが今回のポイントの1つであり、さらにその上方には「腕橈骨筋」と呼ばれる筋肉があります。

 

 

これらの筋肉がまた後程出てくると思うので、ざっくりとで良いので覚えておいてください。

 

テニス肘のメカニズム

 

では、ここからはなぜテニス肘になるのかという部分を解説していきます。

ここまで詳細に書かれているものはあまりないと思いますが、あくまでも個人的な見解と一例として考えて頂けると幸いです。

 

これが分かると同じようにテニスをしている人でもなぜなる人とならない人がいるのかという事が分かると思います。

 

特に今回は回内、もしくは回内位で肘を伸ばした(伸展)時に痛みが出る方をイメージして書いていきます。

 

ポイントは回内と伸展の可動域だと考えています。

テニスのフォアハンドのフォロースルー、バックハンドのインパクトの際、椅子を持つときなどテニス肘の方の痛みが出るケースはほとんどの場合が回内位(伸展位)になります。

 

しかし、テニス肘の人は回内と伸展、両方に可動域制限があります。

この回内と伸展の可動域制限がなぜテニス肘に繋がるのかを説明したいと思います。

 

前腕回内と肘伸展制限により影響

 

まずは回内からです。

回内の制限がない方が掌を下にして物を持とうとすると正常であれば肘の位置が変わらず前腕の動きだけで回内が出来ます。

 

しかし、回内の制限がある方はこの時に肘を外に張るように動かします。

 

写真では分かりやすく肘を張っていますが、実際には微妙に張る程度の方がほとんどです。

 

肘を張って物を持とうとすると物を持つ手と(作用点)それを支える筋肉(支点)との距離が長くなります。

作用点と支点の距離が長くなると筋肉は必要以上の力を発揮する必要があります。

 

これが繰り返し行われることで肘外側の筋肉に繰り返しストレスが加わりテニス肘の痛みが出ます。

 

 

これに加えてテニス肘の方は肘の伸展制限の問題もあります。

奇麗に肘を伸ばせないという事ですね。

 

一見、伸ばせているように見えても外反肘といって前腕が外に曲がっている方もみえます。

 

このように伸展制限がある方が肘を無理やり伸ばそうとすると肘を伸ばす筋肉に負担がかかります。

その筋肉が最初に紹介して「長橈側手根伸筋」「短橈側手根伸筋」「総指伸筋」になります。

 

ほとんどのケースでテニス肘はこの二つの問題が引き起こしています。

そのため、湿布やサポーター、バンドだけではなく再発予防には回内と伸展の制限を解決する必要があります。

 

前腕回内と肘伸展制限の原因は?

 

前腕回内と肘の伸展は別の動きになりますが、実はテニス肘の方は原因になっている筋肉が同じであることが多いです。

 

それは「腕橈骨筋」と呼ばれる筋肉です。

 

この筋肉は肘の上(上腕骨)~手首の近くに付いている筋肉になります。

この筋肉は回内位で伸張されるので硬くなると回内の制限になります。

 

これに加えて腕橈骨筋は肘を曲げるために筋肉でもあるので。硬くなると逆の動きである肘伸展の制限になります。

 

特に回内位では腕橈骨筋は突っ張った状態になるため、回内したまま肘の伸展をしようとすると通常の肘伸展よりもより強く制限をかけることになります。

 

この腕橈骨筋の硬さが前腕回内と肘伸展制限を作り、テニス肘の原因になりやすい筋肉だと考えています。

 

腕橈骨筋の筋膜リリースの方法

 

これはそれほど難しくはありません。

腕橈骨筋はこのように肘の外側にあります。

 

 

肘を曲げて少し肘に力を入れてみて下さい。

もしくは肘を曲げた状態で何か物を持っていただいても大丈夫です。

そうすると肘の前方外側にボコッと厚めの筋肉が出てくると思います。

 

これですね。

 

この部分を指でつまんだり、押さえながらグリグリと横に動かしてみて下さい。

ゴロゴロと筋肉を横断するのが感じられればOKです。

 

このように緩めていくことで回内と伸展の可動域が広がってきてまずは動かしやすくなると思います。

回内や伸展だけで痛みが出る方はほぐした後に痛みが減っているかも確認しながらリリースをしてみて下さい。

 

最後に

 

今回はテニス肘の原因と解決方法を解説しました。

 

激痛ではなくても意外とこのテニス肘のねちっこい痛みに困っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ネットで知らべても細かな原因や解決方法は出てこないと思います。

 

今はこのテニス肘では整形でもあまりリハビリが出来ない(保険のルール上)ので湿布とサポーター、バンドで治療している方も多いと思います。

しかし、それでは根本的な解決にはなりません。

 

なので、テニス肘に悩まされている方は一度今回の腕橈骨筋を緩めてみて下さい。

それで軽減するのであればそれが原因という事です。

 

いつも言っていることですが、痛みが出ている以上何かしらの原因は必ずあります。

それが今回書いたような原因ではない可能性ももちろんあります。

しかし、再発を繰り返すからといって諦めないでください。

 

運動時や日常生活で痛みがあるという事は生活の質を下げることにつながると思います。

そういった方のお役に少しでも立てればと思いますので、まずは今回の内容を一度試してみて下さい。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

服部 耕平

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