「繰り返し膝が腫れる」とお困りの方へ
こんにちは。
愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。
現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。
姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。
Contents
はじめに
膝の痛みでお困りの方の中には膝が腫れた経験がある方もみえるのではないでしょうか。
腫れる疾患としては変形性膝関節症、半月板損傷やスポーツ障害・成長痛と言われる膝蓋大腿関節症、分裂膝蓋骨などがあげられます。
しかし、年齢や疾患名を問わずどのような疾患にも腫れる可能性はあります。
中には普段全く痛みが無くても急に腫れた、という方もみえると思います。
今回は膝が腫れる原因と再発を止めるための改善方法を解説していきます。
膝が腫れるってどうなってるの?
膝は大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨から構成されます。
この膝関節は関節包と呼ばれる袋で覆われています。
膝が腫れているというのはこの袋の内側に水や血液が溜まっている状態の事を言います。
(関節外が腫れる事ももちろんありますが、今回は一般的に多い関節内で解説していきます。)
注射などで抜いて血液を確認できる場合は骨折や靭帯損傷、断裂の可能性が高くなるので今回は水腫と言って水が溜まっているケースを想定して解説していきます。
何で膝が腫れるの?
では、なぜ膝が腫れるのかを説明していきます。
腫れるというのは炎症症状の一つです。
炎症症状というのは発赤、熱感、腫脹、疼痛(痛み)、機能障害の五つの症状の事を言います。
そのため、膝が腫れている時もこのように他の症状が出ていると思います。
つまり腫れているという事は炎症が起こっています、というサインでもあります。
では、なぜ炎症が起こるのでしょうか。
ここが大切な部分になります。
炎症が起こる原因としては筋肉、靭帯の損傷、骨・軟骨の損傷など様々です。
実際に治療院や接骨院にみえる方で多いのは骨・軟骨の微細な損傷の方が多いと思います。
特に高齢の方の変形性膝関節症で繰り返し腫れる方は骨・軟骨の炎症の方が多いと思います。
このような方は歩行時、階段、しゃがみ動作などの日常生活で腫れることが多いですが、なぜ炎症が起こるのか説明していきます。
炎症が起こる原因は?
骨・軟骨に損傷が起きているという事は大なり小なり骨・軟骨同士が衝突している可能性があります。
(筋肉や靭帯の牽引力により損傷することもありますが、今回は除外させて頂きます。)
この骨の衝突を引き起こす原因は筋肉にあることが多いです。
どこの骨が衝突しているか、によってもどの筋肉が原因になっているのかは様々ですが、今回はその1例を紹介させて頂きます。
実際に臨床で多いのは膝蓋骨と大腿骨が擦れるように衝突するケースです。
正常であれば大腿骨側の溝の中を膝蓋骨が滑るように動いて膝を曲げ伸ばしします。
しかし、膝蓋骨には大腿四頭筋と呼ばれる筋肉がついています。
この筋肉が硬くなると、膝を曲げる時に膝蓋骨は大腿骨に強く圧迫され隙間が狭くなります。
この状態で膝を曲げると膝蓋骨と大腿骨が擦れながら膝蓋骨が動く事になります。
この摩擦によって骨・軟骨が損傷して炎症が起こるという事です。
これは膝蓋骨と大腿骨の衝突ですが、大腿骨と脛骨が衝突することによっても炎症は起こるのでそちらに関してはまた別でご紹介していきます。
大腿四頭筋の筋膜リリースの方法
安静にしていれば腫れというのは引いていきますが、筋肉が硬いままだと骨がまた擦れてしまい、炎症が起こる可能性があります。
これでは繰り返し腫れる可能性があるため、根本解決には筋肉の硬さを取り除く必要があります。
今回のケースでは大腿四頭筋の硬さが問題という説明をしてきました。
大腿四頭筋は太ももから膝蓋骨を介して膝の下に付着する筋肉になります。
特に今回のように膝蓋骨の動きが悪くなっている場合は膝蓋骨に近い部分が硬くなっている場合が多いです。
なので、この部分を手でグリグリと強めに圧迫してほぐしてみて下さい。
ここがほぐれると膝が曲げやすくなる感覚があると思います。
ほぐしたからと言って腫れが治まるわけではありませんが、再発しにくくなるので一度試してみて下さい。
注射で抜くとクセになる?
よくある質問で「注射で水を抜くとクセになるの?」という質問をよくいただきます。
答えから言うと注射で水を抜いてもクセにはなりません。
これは先ほど説明したように筋肉の硬さが残っている場合は骨が衝突する可能性があります。
それが残っている以上は一度腫れが引いても、また腫れる可能性はいつでもあります。
つまり注射だけでは根本的な部分は解決できていない、という事です。
なので、何度も腫れてクセになると思われるのだと思います。
その為、本当に根本的に解決して腫れないようにするためには硬くなっている部分を取り除いて、骨が衝突しないようにする必要があります。
まとめ
今回は繰り返し膝が腫れてお困りの方に向けて解説を行いました。
中年以降でこのような腫れで悩まされている方も多いのではないでしょうか。
今回の内容が全ての方に当てはまるわけではありませんが、腫れるにも必ず原因があります。
注射や安静にして治すことももちろん大切ですが、根本治療にはその原因を解決する必要があります。
まずは今回の内容を一度試して頂いて、それでも何度も腫れる方はこのように腫れる原因を見つけてもらえるような専門家に診てもらってください。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
服部 耕平