膝がガクッとする、抜けるような感じがする「膝崩れ」でお困りの方へ。
こんにちは。
愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。
現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。
姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。
Contents
はじめに
今回は膝がガクッと抜ける感じがする方に向けて説明をしていきます。
痛みがある方もいますし、痛みは無くて抜ける感じだけの人もみえると思います。
そういった方の大半が筋力低下が原因と思われているかもしれませんが、そうではありません。
では何が原因でどのように治していくのかを説明していきたいと思います。
なぜ膝崩れが起こるのか
今回のようなガクッとなることを膝崩れと言います。
では、なぜ膝崩れが起こるのかを説明します。
基本的に膝崩れは膝を曲げて踏ん張った時に起こると思います。
歩いている時、階段の上りや下りなどですね。
歩いている時には着地と同時に誰でも膝が曲がるのでこの時に起こります。
正常であれば膝を曲げて踏張る時にはつま先と膝のお皿は同じ方向に向いて曲がります。
このようにつま先と膝が同じ方向を向くことで体重がつま先にも乗り、膝の筋肉と足の筋肉両方で踏ん張る事が出来ます。
さらにはこれによって股関節の筋肉も使いやすくなるので3つの関節で踏ん張れます。
しかし、何らかの理由で膝が捻じれることで、膝が内に向いてしまう事があります。
膝が内に向いてつま先が外に向くので「ニーイン トーアウト」と言ったります。
この動きが膝崩れの原因になります。
スポーツ選手が膝の靭帯断裂をしてしまうニュースがあると思いますが、それもこの「ニーイン トーアウト」が原因だったりします。
このニーインしてしまうとどうなるのかを説明します。
先ほど前方に曲がる時には体重がつま先に乗るという説明をしました、
膝の向きというのは体重移動の方向に関わってきます。
前方に体重が移動すれば足やつま先で踏ん張る事が出来ます。
しかし、膝が内に入ると前方に体重移動が出来ません。
そのまま膝の向きと同様に体重も内側に抜けていきます。
重心の位置が足の外にある時には足で踏ん張る事は出来なくなります。
そのため踏ん張りがきかなくなりガクッと崩れてしまうというわけです。
それに加えてもう一つ。
膝に限らない話ですが、人間の関節は前後の動きには強いのですが、横の動きや捻じれには弱くなっています。
それは横や捻じれの力を受け止める筋力が前後宝庫に比べると弱い、少ないからです。
それを補うように靭帯などで固定されていますが、靭帯にも過剰に負担が加わりと損傷したり、断裂したりします。
膝のケガをするときもほとんどの場合が左右の切り返しや横からのタックルなど横方向の力が加わっています。
膝が曲がらないように踏んばってくれる代表的な膝の筋肉は大腿四頭筋と呼ばれる太ももの筋肉になります。
歩行の際に本来であれば膝が前方に曲がれば大腿四頭筋がそれ以上曲がらないようにブレーキの役割をします。
しかし、ニーインすることでその四頭筋の力も半減します。
それによって膝が曲がるブレーキが利かずに膝崩れを起こしてしまいます。
なぜニーインが起こるのか
では、問題のニーインがなぜ起こるのか。
これは様々な原因があります。
箇条書きでいくつか挙げると
- 股関節の内旋(太ももが内に捻じれる)
- 股関節の内転(太ももが内に入る)
- 膝の外旋(膝の捻じれ)
- 偏平足
- ハイアーチ
などがあります。
偏平足とハイアーチは真逆になるのでなぜ両方なるの?
と思われる方もみえるかと思いますが、どちらもニーインの原因になることがあります。
ただ、いきなりそこを説明しても難しくなるので分かりやすく今回は膝の外旋をポイントにおいて説明します。
膝の外旋というのは膝下のスネの骨が外向きに捻じれる事です。
スネが外に捻じれるという事は逆に考えると太ももが内に捻じれる事と同じことになります。
膝が過度に外旋すると膝の関節面が合わなくなります。
先ほど説明しませんでしたが関節面がかみ合わなくなることも骨の支えが弱くなるので膝崩れの原因になります。
これがニーインを作りだす原因になるので、この修正方法を説明します。
なぜ膝が外旋してしまうのかというとこれは筋肉の硬さにあります。
硬くなった筋肉が膝を外旋方向に引っ張るため、徐々に骨がズレていきます。
では外旋方向に引っ張るのはどの筋肉か。
いくつかありますが、ニーインの方で硬くなっていることが多い2つを紹介します。
一つ目は「外側広筋」と呼ばれる筋肉です
外側広筋は太ももの外側からお皿に下に付着します。
太ももを内に捻り、膝を外旋する作用があります。
2つ目は「大腿二頭筋」と呼ばれる筋肉です。
この筋肉は坐骨と呼ばれる骨盤や太ももの後方から膝外側に付く筋肉です。
この筋肉は外側広筋よりも膝の外旋に関わります。
さらに膝の後方にあり膝を曲げる筋肉でもあるので、硬くなると膝が伸びずらくなるため膝崩れが起きやすくなります。
この筋肉が硬くなると膝崩れが起こりやすくなるので、硬さを取っておく必要があります。
外側広筋と大腿二頭筋の筋膜リリースの方法
ではここからは筋膜リリースの方法を説明します。
まずは外側広筋からです。
先ほども説明したように外側広筋は太ももの外側にある幅広い筋肉です。
この部分をほぐすのですが、幅が広いので手ではなかなか難しいです。
おすすめは筋膜リリースのローラーを使ってください。
このローラーを太ももの外側に当ててゴロゴロと転がします。
最初はかなり痛いと思いますが、継続してやっていくと段々と痛みが軽くなると思います。
もしローラーが無い方は手でグリグリとほぐしてみて下さい。
次に大腿二頭筋です。
この筋肉は外側広筋と隣り合っていてやや後方にあります。
大腿二頭筋は細長い筋肉なので手でもほぐしやすいと思います。
座った状態でもも裏外側に手を入れて筋張った筋肉を探していきます。
膝の近くから探していくと探しやすいと思います。
見つけたらこの筋肉を弾くように横断しながらほぐしてみて下さい。
もし手がつかれるという方は座った状態で野球ボールぐらいの硬さの者をもも裏に当てます。
この状態で体重(圧)をかけながら太ももを動かして大腿二頭筋をほぐしていきます。
これを各5分程度やって頂くとほぐれてくると思います。
柔らかくなっているかチェック方法
実際に筋膜リリースをしてみても実際に柔らかくなっているのか不安な方が多いと思います。
なので簡単なチェック方法を紹介します。
筋膜リリースの前に立位で筋膜リリースをする方に体を捻ってみて下さい。
写真は腕を下ろしていますが、勢いを使わないように腕組みをして捻ってください。
どれくらい捻れるかやどこかに張りや痛みが出る人は張りや痛みの強さも覚えておいてください。
これを確認してから筋膜リリースを行います。
リリース後にもう一度同じように体を捻ってみて回しやすくなっていたり、張りや痛みが軽減していればうまくほぐせています。
このように筋膜リリース前後に動きの確認をすると分かりやすいと思うので不安な方は試してみて下さい。
最後に
今回は膝崩れに関しての原因と治療法を解説しました。
HKLABOのクライアントさんでもほとんどンの方が最初は膝崩れを筋力低下だと思っています。
そう思ってスクワットや膝伸ばし、ウォーキングなどを頑張っている方が多いですが、なかなか改善しないという方もみえると思います。
そういった方は筋肉の硬さが原因かもしれませんので、今回のような内容を一度試してみて下さい。
こういったことはなかなか困っていてもどこに行けばいいのかわからないですし、整形ではリハビリまではしてくれない事がほとんどだと思います。
ただこういったことが後々の関節の変形に進行したり、靭帯損傷に繋がってくる可能性があります。
なので、気になる方は一度筋膜リリースを試してみてください。
それでも改善しない場合は別の原因の可能性もあるので、専門家にみてもらって下さい。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
柔道整復師 服部 耕平