しゃがむと膝のお皿が痛い方へ ── 原因と対策をわかりやすく解説

こんにちは。
愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。
現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。
姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。
Contents
1. しゃがむと膝のお皿が痛い…それ、体のサインかもしれません
「しゃがむと、膝のお皿あたりがズキッと痛む」
「正座や床に座るとき、膝の前がつっぱってつらい」
そんな経験はありませんか?
このようなしゃがみ動作での膝の痛みは、年齢や性別を問わず多くの方が抱えるお悩みのひとつです。
膝が痛いと、「筋力が落ちたのかな」「年のせいかな」と思ってしまいがちですが、
実はその痛み、体が発している「動きのエラー」のサインかもしれません。
痛みのある場所は“膝”でも、原因は股関節や骨盤の動きにあるケースが少なくないのです。
この記事では、
・なぜしゃがむと膝のお皿(膝蓋骨)が痛くなるのか
・どの筋肉が必要以上に頑張ってしまっているのか
・本来使われるべき関節の動きとは?
など、体の仕組みをわかりやすく解説しながら、日常でできる対策も紹介していきます。
「痛みがあるから動かさない」ではなく、
「動きのクセを見直して、痛みを和らげる」
そんな前向きなアプローチで、膝のつらさを根本からケアしていきましょう。
2. 膝のお皿(膝蓋骨)ってどんな役割?
私たちが「膝のお皿」と呼んでいる部分は、“膝蓋骨(しつがいこつ)”という名前の骨です。
膝関節の前面にある、少し出っ張った丸い骨で、触ると動くのが分かりますよね。
この小さな骨、実は膝の動きをスムーズに行うためにとても重要な働きをしています。
膝蓋骨の主な役割は2つ
① 太ももの筋肉(大腿四頭筋)の力を効率よく伝える
膝蓋骨は、大腿四頭筋と脛骨をつなぐ膝蓋腱の中に位置していて、
膝を伸ばすときに力を効率よく伝える“てこ”の役割を果たしています。
② 膝関節を守るクッションの役割
膝の前にある膝蓋骨は、しゃがんだりジャンプしたりする際にかかる圧力を和らげ、
関節を保護するクッションのような働きもあります。
そのため、膝蓋骨まわりの筋肉や動きのバランスが崩れると、クッション性や力の伝達効率が下がり、
痛みや不快感が出やすくなるのです。
3. なぜ膝蓋骨が痛くなるのか ── 鍵は“大腿四頭筋の働きすぎ”
しゃがんだときに膝の前側、特にお皿のあたりに痛みが出る場合、
その多くに関わっているのが「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」という太ももの前の筋肉です。

4. 四頭筋に頼りすぎる体のクセとは? ── 骨盤と股関節の関係
先ほども少しお話ししましたが、しゃがんだときに膝のお皿が痛くなる原因のひとつに、
「骨盤」と「股関節」の動きのクセ」が関係していることがあります。
本来、しゃがむという動きでは、骨盤が少し前に傾いて(骨盤前傾)、股関節がしっかり曲がることで、
上半身の重さをバランスよく受け止めることができます。
その結果、お尻の筋肉(殿筋)や体幹の筋肉も自然と使われ、膝まわりの筋肉だけに負担が集中しにくくなるのです。
ところが、日常の姿勢や柔軟性の低下などによって、
・骨盤が後ろに倒れたまま(骨盤後傾)になっていたり
・股関節がうまく曲がらず、腰から丸くなってしゃがむクセがついていたり
すると、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)だけが過剰に使われるしゃがみ方になってしまいます。
この状態が続くと、膝のお皿(膝蓋骨)を強く押しつけてしまう力が働き、痛みにつながりやすくなるのです。
5. 股関節が動けば、膝は守られる ── 骨盤前傾&股関節屈曲のすすめ
膝のお皿に負担がかかってしまう原因のひとつは、
股関節がうまく曲がらず、その代わりに膝が頑張りすぎているという動きのパターンでした。
では、どうすれば四頭筋に頼りすぎず、膝の負担を減らせるのでしょうか?
答えはシンプルです。
股関節がしっかり動くようになること、
そしてその動きを引き出すために骨盤を適度に前に傾ける(骨盤前傾)ことがポイントになります。
しゃがむときに骨盤が少し前に傾いていると、股関節がスムーズに曲がりやすくなります。
このとき、体の重さは自然と股関節とお尻にのりやすくなり、
四頭筋が過剰に働かなくても、安定してしゃがむことができるのです。
逆に、骨盤が後ろに傾いた状態では股関節の動きが制限され、膝だけでしゃがもうとしてしまうため、
膝蓋骨への圧力が強くなってしまいます。
股関節がしっかり曲がる(屈曲する)ためには、前ももや股関節まわりの筋肉の柔軟性が必要です。
特に、長時間の座りっぱなしや運動不足が続くと、股関節の前側が硬くなり、うまく動かなくなってしまうことがあります。
結果として、骨盤が後傾し、股関節が曲がらず、四頭筋に頼ったしゃがみ方になる…という流れができてしまうのです。
「自分は体が硬いから」「昔から膝が悪いから」とあきらめる必要はありません。
股関節の柔軟性を高めたり、骨盤を正しい角度に保つトレーニングを行うことで、動きのクセは整えることができます。
6. セルフチェック!あなたのしゃがみ方は大丈夫?
ここまでお読みいただき、
「自分も四頭筋に頼りすぎているかも…」「骨盤や股関節の動きが悪いのかも?」と感じた方もいるかもしれません。
でも、実際にどこに問題があるのか、どんなクセがあるのかは、なかなか自分では気づきにくいものです。
ここでは、自宅で簡単にできるしゃがみ動作のセルフチェック方法をご紹介します。
- チェック①:しゃがんだとき、膝がつま先より大きく前に出ていませんか?
椅子の前に立ち、つま先を椅子に近づけた状態でしゃがんでみましょう。
→ 膝が強く椅子に当たる/バランスが崩れる → 股関節がうまく使えていない可能性があります。 - チェック②:しゃがむときにお尻が後ろに引けず、腰が丸くなっていませんか?
横から鏡で確認してみてください。
→ 背中が丸くなっている場合、骨盤が後傾しており、膝に負担が集中しやすい状態です。 - チェック③:しゃがんだとき、お尻の筋肉を使っている感覚がありますか?
お尻を後ろに引くようにしゃがみ、太ももではなくお尻に効いている感覚があるかを確認。
→ お尻が使えていないなら、四頭筋が必要以上に働いている可能性が高いです。
当てはまる項目が多い方は、動きのクセを整えるだけでも膝の負担がぐっと減るかもしれません。
7. 今日からできる!膝を守るセルフケア&スクワット練習
膝に負担をかけずにしゃがむには、お尻(殿筋)と太ももの裏側(ハムストリングス)の筋肉がしっかり働くことが重要です。
ですが、多くの方はこれらの筋肉が硬くなっていたり、使い方を忘れてしまっていたりします。
ここでは、膝のお皿の痛みをやわらげるために役立つ、セルフマッサージ・ストレッチ・正しいスクワット動作を紹介します。
① ハムストリングスのマッサージ&ストレッチ
▶ マッサージのやり方
- テニスボールやフォームローラーを用意
- 床に座り、太ももの裏にボールをあててゆっくり体重をかける
- 痛気持ちいい場所を探して10〜30秒キープ
- お尻の近くや膝の近くまでまんべんなく
▶ ストレッチのやり方
- 椅子に座り、片脚を前に伸ばしてつま先を上に向ける
- 背すじを伸ばしたまま前に倒れて、太もも裏が伸びるのを感じる
- 反動はつけず、左右20〜30秒ずつ
② 殿筋群(お尻)のマッサージ&ストレッチ
▶ マッサージのやり方
- 床に座り、テニスボールをお尻の下に置く
- 手を後ろについて体重を乗せ、痛気持ちいい場所を見つけて軽く揺らす
- 左右それぞれ30秒〜1分程度
- 椅子に座ってストレッチしたい方の足を反対側の膝(太もも)の上に乗せる(4の字)
- そのまま骨盤を立てて体幹を前傾させて、お尻の外側が伸びる感覚を感じる
- 左右20〜30秒キープ
③ お尻を使えるようにする正しいスクワット
▶ 練習方法
- 足を肩幅に開き、つま先はやや外向きに
- 体幹を前傾させて(膝を前に出さない)、お尻を少しずつ下げていく
- 背すじを伸ばしたまま、お尻が下がる感覚を意識
- 立ち上がるときもお尻を使って押し上げる(足の裏で地面を押すように)
- 10回×2セット、鏡を見ながら行うのがおすすめ
▶ ポイント
太ももではなく、お尻の筋肉に力が入っている感覚を大切にしましょう。
はじめは浅めのしゃがみでもOK。深さよりフォームを優先してください。
継続することで、自然と股関節まわりが動きやすくなり、しゃがんだときの膝の痛みも軽減されていきます。
「ストレッチだけでは変わらなかった」「正しいスクワットがよくわからない」という方も、ぜひ一度これらのケアを取り入れてみてください。
8. 痛みが続くときは専門家に相談を ── HK LABOのサポート内容
ストレッチや動きの改善を意識しても、
「やっぱりしゃがむと膝のお皿が痛い…」
「一時的に良くなっても、またすぐ戻ってしまう…」
そんなときは、ご自身だけでなんとかしようと頑張りすぎず、専門家に相談することをおすすめします。
HK LABO(愛知県豊明市)では、
・筋膜リリースや関節可動域の改善
・姿勢・骨盤・股関節を含めた評価
・オーダーメイドのトレーニング指導
・再発予防のための日常動作の指導
など、“膝だけを診るのではなく、全身から原因を探す”サポートを行っています。
整形外科で「異常なし」と言われた方や、接骨院で電気治療だけで終わった方にも、
「こんな視点は初めて」「ようやく納得できた」と言っていただくことが増えています。
痛みを我慢し続けるのではなく、“体の使い方を整える”という選択肢を、一緒に考えてみませんか?
ご予約・ご相談はLINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。