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足裏の痛み「モートン病」の原因と治療法

こんにちは。

愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。

現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。

姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。

 

Contents

はじめに

 

今回はモートン病について解説をしていきます。

足底腱膜炎ほど多くはありませんが、このモートン病で悩まれている方も多いのではないでしょうか。

 

モートン病の病態は解説されていることが多いですが、

原因や治療法まで書いてあることは少ないのではないでしょうか。

 

僕自身も以前は原因を確定させることは出来ずにこのブログにも書きませんでしたが、

みさせて頂く機会が増えて以前よりも原因や治療法に関して自分なりの見解が出来てきたので、

今回解説していきます。

 

いつも言う事ですが、「モートン病にはこれが効く」といったような一律の治療法はありません。

筋肉の硬さや筋力、骨の形は人それぞれ違うので治療法も人それぞれ違います。

その為、今回の内容で改善される方もみえればれない方もみえると思います。

 

それを踏まえた上で、よく遭遇するモートン病の原因と治療法について解説していきます。

 

モートン病って何?

 

まずはモートン病がどんな疾患かを説明します。

モートン病は足の指の付け根(足底)に痛みが出る疾患になります。

特に第3趾と4趾の間で発症しやすくなります。

 

こういった指の間には足底神経と呼ばれる神経が通っています。

さらにその上には深・浅横中速靭帯と呼ばれる靭帯が神経があり、

その靭帯の下を神経が通っている形になります。

 

 

この足底の神経は骨や靭帯と地面との間に位置するため繰り返しの摩擦や圧迫ストレスが加わることになります。

このストレスが過剰になると、神経に障害が引き起こしモートン病になるという事です。

 

中には指の付け根の足底部分に神経腫といって神経が腫れて瘤のようになるケースもあります。

ハイヒールを履くことが多い女性がなりやすいとも言われています。

 

なぜ神経が圧迫されるの?

 

ではなぜ足底の神経が圧迫されるのでしょうか。

全ての人がモートン病になるわけではないので、なる人とならない人にはどこかに差があるわけです。

ではなる人の足はどうなっているのかを説明していきます。

 

足には片方で28個の骨があります。

 

その中でも今回は中足骨と呼ばれる指の付け根にある骨に注目していきます。

 

中足骨は横から見た時に通常であればこれぐらいの角度になります。

 

 

しかし、モートン病の人は中足骨の底屈と言って、中足骨が下に角度が付いているため、

このような角度になります。

 

この角度こそがモートン病の大きな原因になってきます。

中足骨に角度がつくとどうなるのか。

これによって神経には二つのストレスが加わることになります。

 

一つ目は中足骨が底屈することで付け根の部分と地面が強く当たり、

足底の軟部組織への圧迫ストレスや摩擦が強くなります。

もちろんモートン病の原因の足底神経にもストレスが加わります。

 

さらにもう一つは中足骨が底屈すると指の骨(基節骨)は上に持ち上がります。

一般的に浮指と呼ばれる状態になります。

 

浮指になると指の付け根の足底部分には引っ張られる力が加わります。

つまり足底の神経には牽引力が加わるという事です。

 

圧迫力(摩擦力)と牽引力。

中足骨が底屈することでこの二つの力が足底の神経に加わることになります。

 

これが歩いたり走ったりすることでさらに大きなストレスが切り返し神経に加わることになります。

なので、この中足骨に底屈を改善させることがモートン病の根本解決になる治療法だと考えています。

 

ちなみに、モートン病はヒールやパンプスを履く女性に多いと言われています。

そういった靴は先が細く、つま先が下に向いているため中足骨の底屈を助長するような形になっています。

そのため、足の形が変形してモートン病になりやすくなるというわけです。

 

中足骨底屈の原因筋は?

 

ではここからはさらに中足骨の底屈の原因について説明していきます。

ここが分かると改善方法もみえてきます。

 

中足骨の底屈にも原因があるという事ですね。

最初は先ほど説明した靴など外的な要因が原因で中足骨の形が変わるかもしれませんが、

モートン病になっている方はその状態で固まってしまって戻らなくなっています。

 

ではどこが硬くなっているのでしょうか。

これは中足骨の間にある背側骨間筋と呼ばれる筋肉です。

 

この筋肉が硬くなると中足骨を下に押し下げて、指を反らすような形にします。

先ほど言った浮指の形ですね。

 

この筋肉が硬くなると中足骨が底屈していきますし、

逆にパンプスのようにこの形になりやすい靴などを履いていると背側骨間筋が硬くなってこの形から戻らなくなります。

 

これが中足骨の底屈の原因の筋肉になります。

 

背側骨間筋の筋膜リリースの方法

 

中足骨の変形の原因が背側骨間筋というお話をしましたが、

ここではその緩め方を解説していきます。

 

基本的には筋肉が硬くなって起こる骨のずれや変形は原因となっている筋肉を緩めていく事で、

ある程度元に戻ります。

少なくとも痛みが改善されるレベルには戻るはずです。

 

背側骨間筋というのは中足骨と呼ばれる骨の間にある筋肉になります。

 

なので足の甲のから骨を触ってその間に指を入れながらほぐしていきます。

筋肉自体を触れている感覚はあまりないかもしれませんが、

骨の間が分かればほぐしやすい筋肉になります。

 

この部分を入念にほぐしていつも痛みの出る動きを行ってみて下さい。

(歩き、つま先立ち。階段上りなど)

 

それでいつもより痛みが減っていれば、痛みの原因は今回の背側骨間筋の可能性が高いので、

毎日継続してほぐしてみて下さい。

 

最後に

 

今回はモートン病の痛みの原因と治療法を解説しました。

モートン病の原因は背側骨間筋だけではないですが、背側骨間筋を緩めること事で

改善される方もみえると思います。

 

モートン病の治療に関しては病院でもリハビリもなく、

インソールや内服、湿布で様子を見るケースが多いと思います。

 

しかし、こういった痛みや痺れにも細かく見ていくと患部にストレスが加わっている原因は必ずあります。

その原因を解決すれば長年の痛みでも痛みは改善されます。

なので、整形や接骨院などで改善されなくても諦めずに今回の内容を試してみて下さい。

 

今回の内容が当てはまらなくても今のあなたの痛みに当てはまらなかったという事で、

改善方法がないわけではありません。

 

なので、今回の内容で改善されなくても諦めずに専門家に診てもらって下さい。

 

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。

 

柔道整復師  服部 耕平

 

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