糖尿病の運動は「下半身×筋トレ+有酸素」|強度・頻度の考え方と続けるコツ【HK LABO】
前回のブログから少し時間が経ちましたが、
引き続き糖尿病の方に向けて「運動(トレーニング)の考え方」をまとめていきます。
これまでの記事では、運動が血糖に効く理由(GLUT4や筋肉の役割)と、
弱すぎ・強すぎの運動がうまくいかない理由(強度・頻度の考え方)を解説しました。
- 参考①(仕組みの話・その1):
GLUT4や筋肉の役割など、今回の前提になる内容をまとめています。
よければ参考にしてください。
https://toyoake-care.com/labo/diabetes-exercise-mechanism-2/ - 参考②(仕組みの話・その2):
同じテーマを別の切り口でまとめた記事です(復習用にどうぞ)。
https://toyoake-care.com/labo/diabetes-exercise-mechanism/ - 参考③(前回:強度・頻度の考え方):
弱すぎる運動・強すぎる運動がなぜうまくいかないのかを整理しています。
https://toyoake-care.com/labo/diabetes-exercise-intensity-frequency/
※時間がない方は、このまま読み進めても問題ありません。
自宅でできる内容〜ジムで行う内容まで、段階的に整理していきます。
糖尿病の運動は、やみくもに「たくさん動く」よりも、目的に合った運動を選べているかで結果が変わります。
特に大切なのは、次の2つを同時に狙うことです。
- 短期:血糖を筋肉に取り込ませる(GLUT4の働き)
- 長期:血糖が乱れにくい土台を作る(筋肉量・内臓脂肪)
ではまず大前提として、糖尿病の運動療法でよく推奨される「筋トレ+有酸素」の考え方から整理します。
Contents
筋トレ+有酸素が“最も現実的に効く”理由
「糖尿病にはウォーキングが良い」と言われることが多いですが、
血糖を安定させたい場合は、歩くだけで終わらせないのがポイントです。
理由はシンプルで、それぞれ“役割”が違うからです。
- 筋トレ(下半身中心)
筋肉量を維持・増やし、血糖を「ためておける受け皿」を大きくする - 有酸素(歩行など)
内臓脂肪を減らし、炎症反応を抑えてインスリン抵抗性を下げやすくする
「血糖を下げる」+「血糖が乱れにくい体を作る」
この2つをセットで狙うのが大切です。
有酸素だけだと筋肉量が増えにくく、
筋トレだけだと内臓脂肪・体力面の改善が追いつきにくいことがあります。
だからこそ、組み合わせることでバランスが取りやすくなります。
では実際に、筋トレは「何回・何セット」、有酸素は「どれくらいの時間」を目安にすればよいのでしょうか。
次の章からは、回数・セット・週何回といった具体的な目安を、
「なぜその設定が良いのか?」という理由(根拠)も添えて、段階別に解説していきます。
まずは安全チェック:糖尿病の運動で気をつけるポイント
ここから具体的なトレーニングの話に入っていきますが、最初に大切なことがあります。
体の状態によって“注意点”が変わります。
まずは安全に続けるためのチェックを押さえておきましょう。
特に注意が必要なのは、次の3つです。
- 低血糖リスク(薬の影響)
- 合併症の有無(目・腎臓・神経・心血管など)
- 関節の痛み(膝・股関節・腰など)
「怖いから運動しない」ではなく、
“安全に運動できる形に調整する”という選択ができます。
① 低血糖に注意(インスリン・一部の薬を使用している方)
運動は血糖を下げる方向に働くため、薬の種類によっては低血糖に注意が必要です。
- 運動中・運動後に冷や汗、動悸、強い空腹、手の震え、ふらつきが出る
- 集中できない、ぼーっとする、急に眠くなる
- いつもより運動後に強い疲労感が残る
運動の強度や時間、タイミングを調整する必要があります。
(薬の影響が関わることも多いので、主治医の指示も重要です)
運動前後の血糖を測定できる方は、最初のうちは
「運動前・運動後」で変化を見ておくと安心です。
② 合併症がある場合は「種目選び」が重要
糖尿病は、合併症の有無によって「避けた方がいい負荷」が変わります。
- 目(網膜症など)がある方
→ 息を止めて力む(いきむ)種目や、急激に血圧が上がる動作は避ける/医師の指示を優先 - 腎臓(腎症など)がある方
→ 体調や疲労を見ながら、過度な追い込みを避ける(主治医の運動制限がある場合は必ず従う) - 神経(しびれ・感覚低下)がある方
→ 足の皮膚トラブルに気づきにくいことがあるため、靴・足の状態チェックが重要 - 心血管(心疾患・高血圧など)がある方
→ 急に強い運動を始めず、段階的に強度を上げる(自覚症状があれば中止)
“安全な形に変更する”ことが大切です。
不安がある場合は主治医に確認しつつ進めてください。
③ 膝・股関節・腰が痛い人でも、下半身は鍛えられます
「膝が痛いからスクワットは無理」
「股関節が硬いから下半身の運動は避けている」
という方も多いですが、実はここも大事なポイントです。
フォーム・深さ・種目を変えるだけで、下半身は安全に使えることが多いです。
- 痛みが出る「角度」まで無理にしゃがまない(浅いスクワットでもOK)
- 膝がつらい人は「お尻(殿筋)」中心の種目を優先する
- 腰が不安な人は「背中が丸まらない形」に種目を調整する
つまり、痛みがある方ほど、
自己流で頑張るのではなく、フォームと段階設定が重要になります。
この章のまとめ
糖尿病の運動は、強度や頻度だけでなく
「低血糖」「合併症」「痛み」などの条件によって最適解が変わります。
次の章からは、これらを踏まえたうえで、具体的な下半身トレーニングを段階別に紹介していきます。
下半身トレーニング:まずは“安全に効かせる”3段階
ここからは、糖尿病の運動で特に重要な「下半身トレーニング」を具体的に紹介します。
「効かせ方(フォーム)→適切な負荷→継続」の順番で段階を上げることです。
下半身は筋肉量が大きく、日常動作(歩く・立つ・階段)にも直結します。
糖尿病の運動では、ここを安全に使えるようにしておくと、血糖・体力・生活の安定につながりやすくなります。
- 頻度:週2〜3回(できれば連続しない)
- 基本の回数:10〜15回
- セット数:1〜3セット(最初は1セットでもOK)
- 強度(体感):RPE 11〜13(ややきつい)
- 休憩:60〜90秒(息が整う程度)
筋トレは、運動中よりも「回復の過程」で身体が変わります。
毎日やりすぎるより、休みを挟んで週2〜3回の方が続けやすく、結果も出やすいケースが多いです。
フォームが崩れにくく、関節への負担を抑えながら、筋肉には十分な刺激を入れやすい回数帯だからです。
特に運動習慣が少ない方・痛みが不安な方の導入として使いやすい目安です。
股関節を曲げて体幹を前傾(ヒップヒンジ)→殿筋に効かせるのが基本です。
背中・腰は丸めず、“背すじを長く”保ったまま行いましょう。
それでは、段階別にいきます。
「痛みが出ない」「フォームが安定する」ことを最優先に進めてください。
段階A:まずはフォームと安全(膝や腰が不安な方にもおすすめ)
- A. 椅子スクワット(Sit to Stand)
やり方(簡単)
①足は肩幅、つま先は少し外へ。椅子の少し前に立つ
②背すじを長く保ったまま、股関節を曲げて体幹を少し前傾(お尻と太もも裏に張りを感じる)
③そのまま“椅子に静かに触れる”程度まで腰を落とす(ドスンと座らない)
④かかと〜足裏全体で床を押し、お尻を締めながら立ち上がる
ポイント:「膝を曲げに行く」より股関節を曲げる意識。背中・腰は丸めない。
目安:10〜15回 × 1〜2セット - B. ヒップヒンジ(フォーム練習)
やり方(簡単)
①背すじを長く、胸を軽く張る → ②膝を少しだけ曲げる
③股関節を曲げて体幹を前傾(お尻・太もも裏に張り)→ ④戻る
ポイント:背中・腰は丸めない/“お辞儀”のイメージ。
目安:10回 × 1〜2セット - C. カーフレイズ(かかと上げ)
やり方(簡単)
①壁や椅子に軽く手を添える → ②かかとをゆっくり上げる → ③ゆっくり下ろす
ポイント:反動を使わず、上で1秒止める。
目安:12〜15回 × 1〜2セット
・痛みが増えない
・フォームが崩れずにできる
・終わったあと「使った感じ」がある(RPE 11〜13)
これが揃ったら段階Bへ進みます。
段階B:効かせる(筋肉に“ちゃんと刺激を入れる”)
- D. ゴブレットスクワット(軽い重りを持つ)
やり方(簡単)
①胸の前でペットボトル/ダンベルを両手で持つ(肘は体の近く)
②足は肩幅、つま先は少し外へ。背すじを長く保つ
③股関節を曲げて体幹を少し前傾しながら腰を落とす(お尻・太もも裏に効かせるイメージ)
④膝は“勝手に曲がる”くらいでOK(膝だけを前に出し過ぎない)
⑤足裏全体で床を押して戻る(最後にお尻を軽く締める)
ポイント:「しゃがむ」より股関節をたたむ意識。背中・腰は丸めない。浅めでもOK。
目安:10〜15回 × 2セット - E. ヒップリフト(お尻:殿筋)
やり方(簡単)
①仰向けで膝を立て、かかとはお尻の近く → ②お腹に軽く力を入れる
③かかとで床を押して、お尻を持ち上げる → ④肩〜膝が一直線になったら1秒止める
⑤ゆっくり下ろす(腰を反らしすぎない)
ポイント:「腰で上げる」ではなく「お尻で上げる」。
目安:10〜15回 × 2セット - F. スプリットスクワット(小さく前後に開く)
やり方(簡単)
①片足を前、片足を後ろ(線路のように少し横幅も作ると安定)
②上体は軽く前傾、背すじは長く保つ → ③真下に沈む(深くしすぎない)
④前足の足裏で床を押して戻る(最後にお尻を軽く締める)
ポイント:不安なら壁や椅子に手を添えてOK/背中・腰は丸めない。
目安:左右 各8〜12回 × 1〜2セット
回数をこなすより、下半身に効かせられているかが大事です。
同じ10回でも、フォームが崩れていると“効かない”運動になります。
段階C:強度アップ(安全に“負荷”を上げる)
段階Cは、フォームが安定してきた方向けです。
重さを上げる場合でも、まずはRPE 11〜13の範囲で「安全に効かせる」ことを優先してください。
- G. レッグプレス(ジム)
やり方(簡単)
①背中とお尻をシートに密着 → ②足は肩幅、つま先は少し外へ
③膝が内側に入らないように下ろす → ④足裏全体で押して戻す
ポイント:膝を伸ばし切ってロックしない/下ろしすぎて腰が丸まらない。
目安:10〜15回 × 2〜3セットジムに行けない方の代替案(おすすめ)
・壁スクワット(ウォールスクワット):背中(お尻)を壁につけて浅くしゃがみ、30〜45秒キープ × 2〜3本
・ステップアップ(低い段差):下の説明でOK(台は低めから)
・椅子スクワットの負荷UP:ゆっくり下ろす(3秒)+立つ(1秒)で10〜12回 × 2〜3セット - H. ステップアップ(台に上がる)
やり方(簡単)
①低めの段差(10〜20cm)を用意 → ②片足を台に乗せる
③台に乗せた足の足裏で床(台)を押して立ち上がる → ④ゆっくり降りる
ポイント:反動でジャンプしない/膝が内側に入らない/最初は手すりや壁で補助OK。
目安:左右 各8〜12回 × 2セット - I. ルーマニアンデッドリフト(軽負荷)
やり方(簡単)
①ペットボトル/ダンベルを両手で持ち、足は腰幅。膝は少しだけ曲げる
②背すじを長く保ち、胸を軽く張る(腰・背中は丸めない)
③股関節を曲げて体幹を倒す(“お辞儀”のイメージ)。重りは脚の近くを滑らせる
④太もも裏(ハム)に“張り”が出たところで止める(無理に深く倒さない)
⑤お尻を締める意識で戻る(腰を反らしすぎない)
ポイント:「引く」より股関節を曲げて倒すイメージ。背中が丸まるなら可動域を小さく。
目安:8〜12回 × 1〜2セット
・「フォームを整えても痛い」なら中止(種目変更)
・「翌日に痛みが残る」なら負荷を下げる/回数を減らす
“我慢して続ける”のではなく、“やり方を変える”のが正解です。
週の組み立て(例)
- 週2回パターン:火:下半身筋トレ / 金:下半身筋トレ + ほかの日は軽い歩行
- 週3回パターン:月・水・土:下半身筋トレ(短め)+ ほかの日に有酸素
「続けられる量」から始めて、慣れてきたら週3回へ。
糖尿病の運動は“継続できる設計”が一番強いです。
次の章では、有酸素運動(歩行など)を「どれくらいの強度・時間・頻度で入れると効果的か」を、
理由も含めて具体的に解説していきます。
有酸素運動:血糖を安定させる「強度・時間・頻度」の目安
下半身の筋トレが「血糖をためておける身体(筋肉)」を作る土台だとしたら、
有酸素運動は“その日〜翌日にかけて血糖を安定させる”ための武器になります。
「長時間やること」よりも、適切な強度で“積み上げること”です。
糖尿病の運動療法では、一般的に
週150分以上の中強度(早歩きレベル)が一つの目安として示されています。
(例:30分×5日 など)
※まとめてやるより、分けて積み上げる方が続けやすいです。
- 頻度:週3日以上(できれば週5日)
- 時間:1回20〜40分(慣れないうちは10分×2〜3回でもOK)
- 強度:中強度(息が弾むが会話はできる:RPE 11〜13)
・楽に会話できる → 低すぎて効きにくい場合あり
・会話はできるが息は弾む → ちょうど良い(中強度)
・単語しか出ない/苦しい → 強すぎ(続かない・負担が増える可能性)
ここで大事なのが、先に言っていた「弱すぎる運動では足りない」という視点です。
ゆっくり散歩ももちろん良いのですが、血糖やインスリン抵抗性にしっかり効かせたいなら、
“息が少し弾む”強度まで上げることが重要になるケースが多いです。
血糖を下げる力が強い薬(インスリン、SU薬、グリニドなど)を使っている方は、
運動で血糖が下がりすぎる(低血糖)ことがあります。
不安がある方は、医師の指示・測定(運動前後の血糖チェック)も含めて進めましょう。
「歩くだけでは足りない」と言われる理由
ウォーキングは最も始めやすい運動ですが、
強度が低すぎると「血糖への効果が出にくい」ケースがあります。
歩いているつもりでも、
・息が全く上がらない
・歩く速度が一定で刺激が変わらない
・時間が短く、週の総量が少ない
こうなると、体が慣れてしまって変化が出にくくなります。
なのでHK LABOでは、歩行を勧める場合でも、
「どのくらいの速度(強度)で歩けているか」を確認しながら提案します。
忙しい人向け:「分割」と「座りすぎ対策」が強い
まとまった時間が取れない方は、
10分を複数回に分けるだけでも意味があります。
- 例:朝10分+昼10分+夜10分=合計30分
- 食後:食後の軽い歩行(10〜15分)を入れると血糖が安定しやすい
さらに、座りっぱなしが長い方は、
「30分に1回、1〜3分だけ立って動く」ような“こまめな中断”もおすすめです。
(長時間座り続けるより、短い動きでも挟んだ方が血糖の面でメリットが出やすいという報告があります)
① 週の合計(積み上げ)と
② 強度(息が少し弾む)と
③ 座りすぎを切る(こまめに動く)
この3つを押さえると、現実的に続けやすくなります。
次は、筋トレ+有酸素を「どう組み合わせると安全で効果が出やすいか」
(順番、週の組み方、強すぎを避けるコツ)を具体例つきでまとめていきます。
筋トレ+有酸素は「どっちが先?」と「週の組み方」
ここまでで、糖尿病の運動では「筋トレ+有酸素」が現実的に効果を出しやすい、という話をしてきました。
ただ、実際にやろうとすると多くの方がここで迷います。
- 筋トレと有酸素、どっちを先にやればいいの?
- 毎日やらないと意味がない?週の組み方は?
- 頑張りすぎると逆効果になるって本当?
結果として血糖も安定しやすくなります。
筋トレと有酸素、基本は「筋トレ → 有酸素」がおすすめ
結論としては、迷ったら「筋トレ → 有酸素」の順番がシンプルです。
・筋トレを先に行うと、下半身の筋肉をしっかり使った状態で有酸素に入れる
・疲労でフォームが崩れにくく、筋トレの質を保ちやすい
・「筋肉を使う → その後に動く」の流れが作りやすい
もちろん、生活の都合で分けてもOKです。
「筋トレは夜、有酸素は昼」など、続けやすい形にする方が大事です。
運動のタイミングで血糖が下がりすぎることがあります。
運動前後の体調・測定値に合わせて調整してください。
週の組み方:いちばん現実的な“基本形”
糖尿病の運動は、毎日ハードにやる必要はありません。
むしろ、強度を上げすぎて続かなくなる方がもったいないです。
筋トレ:週2〜3回
有酸素:週3〜5回(合計150分を目安)
です。
- 筋トレ:週2〜3回(連続しない)
- 有酸素:週3〜5回(1回20〜40分、または10分×複数回)
- 座りすぎ対策:30分に1回、1〜3分だけ立って動く
次に、具体的な例を2パターン出します。
- パターン①:週2筋トレ(まずはここから)
火:下半身筋トレ(20〜30分)+軽い有酸素(10〜15分)
金:下半身筋トレ(20〜30分)+軽い有酸素(10〜15分)
他の日:早歩き20〜30分を2〜3回(または10分×複数回) - パターン②:週3筋トレ(慣れてきたら)
月:下半身筋トレ(短め)
水:下半身筋トレ(短め)
土:下半身筋トレ(短め)
他の日:早歩き20〜30分(週2〜3回)+座りすぎ対策
「毎日やらなくていい日」があっても血糖が安定する理由
前回までの話とつながりますが、運動には「その日だけの効果」だけでなく、
積み上げによる体の適応があります。
・有酸素は、週の合計(積み上げ)で体力・代謝が整いやすい
だから、休む日があってもOKです
むしろ、休みを入れることで関節や疲労の負担が減り、
結果として長く続けられる(=血糖が安定しやすい)ことが多いです。
「強すぎる運動」が逆効果になりやすいパターン
糖尿病の運動でよくある失敗が、最初に頑張りすぎてしまうことです。
- 息が上がりすぎて、翌日ぐったりして続かない
- フォームが崩れて、膝・腰が痛くなる
- 薬の影響で低血糖が起き、運動が怖くなる
糖尿病の運動は“続く強度”で積み上げることが、最終的に一番効果が出ます。
この章のまとめ
・迷ったら「筋トレ → 有酸素」がシンプルでおすすめ
・週の基本形は「筋トレ週2〜3回」+「有酸素週3〜5回(合計150分目安)」
・毎日ハードにやらなくてOK。休みを入れた方が続く
・強すぎる運動は、継続性・痛み・低血糖の面で逆効果になりやすい
次の章では、「じゃあ自分の運動は弱すぎる?強すぎる?」を判断するために、
RPE(きつさ)と“効いているサイン”を、できるだけ分かりやすく整理していきます。
弱すぎ?強すぎ?を判断する:RPEと「効いているサイン」
ここまでで「筋トレ+有酸素を、続けられる形で積み上げるのが大事」という話をしました。
でも実際には、ここで次の悩みが出ます。
- 自分の運動って弱すぎるのかな?
- 逆に頑張りすぎてない?
- 「効いてる感じ」って何を見ればいい?
「きつさ(RPE)」と「体の反応(サイン)」をセットで見ればOKです。
RPE(自覚的運動強度)とは?
RPEは「今の運動がどれくらいきついか」を、数字で表す方法です。
難しい計測がなくても、本人の感覚で判断できるのがメリットです。
- RPE 9〜10:楽〜少しきつい(余裕あり)
- RPE 11〜13:ややきつい(おすすめゾーン)
- RPE 14〜16:きつい(慣れている人向け/注意が必要)
- RPE 17以上:かなりきつい(多くの人は不要)
筋トレも有酸素も「RPE 11〜13」です。
(息は弾むが、継続できる強度)
弱すぎる運動のサイン
次の項目に当てはまる場合、運動が「良い習慣」になっていても、
血糖や体の変化が出にくい可能性があります。
- 運動中に息がほとんど上がらない
- 筋トレがいつも同じ回数で余裕(RPE 9〜10のまま)
- 運動後に「使った感じ」がほぼ残らない
- 数週間〜1か月続けても体力・数値が変わらない
・歩行なら「速度を少し上げる」「坂・階段を入れる」「インターバルにする」
・筋トレなら「回数を少し増やす」「テンポをゆっくりにする」「種目を段階アップ」
“ちょい上げ”で十分です。
強すぎる運動のサイン(糖尿病の人はここが重要)
反対に、頑張りすぎているときは「効いてる」ではなく、
体が回復できずにブレーキがかかっている状態になっていることがあります。
- 運動後にぐったりして翌日動けない
- 筋肉痛が3日以上残って生活がしんどい
- 関節(膝・腰・股関節)に痛みが出る/増える
- 睡眠の質が落ちる、疲れが抜けない
- 運動が怖くなる/嫌になる
「強度を上げる」より、続けられる強度に戻すのが正解です。
糖尿病の運動で一番もったいないのは、頑張りすぎて続かなくなることです。
筋トレが“効いているサイン”(殿筋に効いているか)
HK LABOが下半身トレーニングで重視しているのは、
「膝」より「股関節(殿筋)」に負荷が乗っているかです。
- スクワット系でお尻〜太もも裏に疲労感が来る
- フォーム中に背すじが保てる(腰・背中が丸まらない)
- 終わったあとに下半身が“使った感”がある
- 翌日に軽い張りはあるが、生活に支障はない
股関節ヒンジ(体幹前傾)や可動域の調整で、殿筋に負荷を逃がせることが多いです。
有酸素が“効いているサイン”(息が弾むレベル)
有酸素は、頑張りすぎなくても効かせられます。
目安は次の通りです。
- 息は弾むが会話はできる(RPE 11〜13)
- 汗ばむが、終わったあとに回復できる
- 週の合計が積み上がっている(150分目安)
「ずっと楽なまま」なら少し上げる。
「翌日しんどすぎる」なら下げる。
この調整を繰り返すと、あなたに合う強度に収束していきます。
最初の2週間は「安全第一」でOK
いきなり完璧を目指す必要はありません。
最初の2週間は、次のルールだけ守れば十分です。
- 筋トレ:RPE 11〜13で週2回(下半身)
- 有酸素:息が弾む程度で週3回(または10分×複数回)
- 痛み・低血糖っぽい症状が出たら「中止→調整」
この章のまとめ
・判断は「RPE(きつさ)」+「体の反応(サイン)」でOK
・弱すぎ:息が上がらない/いつも余裕 → ちょい上げ
・強すぎ:翌日ぐったり/痛み/続かない → ちょい下げ
・筋トレは殿筋に疲労感、背すじが保てるかがポイント
・最初の2週間は安全第一で、まず“続く形”を作る
次の章では、ここまでを踏まえて
「HK LABOでは糖尿病の運動をどう設計するのか」
(評価→段階設定→安全管理→継続)を具体的にまとめます。
HK LABOでは「評価→段階設定」で、運動を“安全に続く形”にします
ここまで読んでいただいて、
- 筋トレも有酸素も大事なのは分かった
- でも、自分に合う強度が分からない
- 膝や腰が不安で、フォームが合っているか自信がない
- 頑張りすぎて続かなかった経験がある
こう感じた方もいると思います。
合う形に設計して、淡々と積み上げる方がうまくいきます。
HK LABOでは、そのために最初に“評価”を行い、
「何を、どのくらい、どうやってやると効果が出やすいか」を整理した上で進めます。
なぜ「評価」が必要なのか
糖尿病の運動療法は、同じ“筋トレ”でも人によって効き方が変わります。
・殿筋に効かせたいのに、膝前ばかり疲れる
・股関節が硬くて、背中や腰が丸まりやすい
・足部(つま先・土踏まず)が不安定で、膝が内側に入る
こういう状態だと、運動の効果が出にくいだけでなく、痛みにつながることがあります。
だからこそ、HK LABOでは「とりあえず回数をやる」のではなく、
まず“効く形”に整えてから積み上げることを大切にしています。
HK LABOが見るポイント(例)
- 姿勢:骨盤・胸郭・重心の位置(前後左右)
- 動作:しゃがみ・片脚立ち・階段動作など
- 股関節:ヒップヒンジが作れるか(殿筋が使えるか)
- 膝:内側に入る癖、痛みの出方
- 足部:接地の安定性(支える力)
- 体力:息切れしやすさ、運動習慣、疲労の残り方
「あなたの身体に合う形で、筋肉を正しく使えるようにする」
それが結果として、血糖の安定につながっていきます。
段階設定:まずは「痛みゼロ・安全・続く」から
運動は、きつくしなくても効果を出せます。
大事なのはあなたに合った段階から始めることです。
- 段階A:フォーム・安全(痛みを出さない、背すじを保つ)
- 段階B:効かせる(殿筋・下半身に疲労感が来る)
- 段階C:負荷を上げる(RPE 11〜13の範囲で積み上げる)
同じ運動でも、フォームと負荷が合えば、少ない量でも体は変わります。
糖尿病の運動で大事な「安全管理」
糖尿病の方の場合、運動のメリットが大きい一方で、注意点もあります。
- 低血糖:薬の種類・タイミングで起こり得る
- 関節痛:膝・腰・股関節に負担が集中しやすい
- 疲労:頑張りすぎると継続できなくなる
「安全に続けられる範囲」を見極めて、段階的に上げることを優先します。
運動が怖くなるような失敗を作らないことが、長期的に一番重要です。
「自己流運動がうまくいかない理由」
ウォーキングや筋トレを頑張っているのに、変化が出ない方の多くは、
- 運動が弱すぎて効いていない
- 逆に強すぎて続かない
- フォームが崩れて狙った筋肉に入っていない
- 痛みが出て運動量が落ちる
このどれかが起きていることが多いです。
「評価 → 段階設定 → 継続」という流れで、
“最初から遠回りしない”運動設計を行います。
この章のまとめ
・糖尿病の運動は「頑張る」より「合う形に設計する」方がうまくいく
・HK LABOは、姿勢・動作・股関節(殿筋)を評価して“効くフォーム”を作る
・段階A→B→Cで、安全に負荷を上げていく
・低血糖や関節痛などのリスクも見ながら、続けられる形にする
次は最後に、全体のまとめと「HK LABOで相談できること」を整理して終わります。
まとめ:糖尿病の運動は「頑張る」より「正しく続ける」
ここまで、糖尿病の運動について
- 下半身の筋トレがなぜ重要なのか
- 有酸素運動の強度・時間・頻度の目安
- 筋トレ+有酸素の組み合わせ方
- 弱すぎ・強すぎを判断するRPEとサイン
- HK LABOでの評価→段階設定の考え方
を解説してきました。
「強くやること」ではなく「正しく続けること」です。
運動は、やればやるほど良いわけではありません。
弱すぎれば効果が出にくく、強すぎれば続かず、痛みや不安が残ります。
だからこそ、まずは
- 筋トレ:週2〜3回(下半身)
- 有酸素:週3〜5回(合計150分を目安)
- 強度:RPE 11〜13(ややきつい)
- 安全:痛み・低血糖が不安なら調整しながら
この「基本形」を作るだけでも、運動は現実的に続きやすくなります。
・下半身は筋肉量が大きく、血糖の安定に直結しやすい
・スクワット系は「膝」ではなく股関節(殿筋)に効かせる
・有酸素は「長時間」より適切な強度で積み上げる
・弱すぎ/強すぎはRPEと体のサインで判断できる
HK LABOで相談できること
もしあなたが
- 運動をしているのに数値が変わらない
- 自己流でやっていてフォームが不安
- 膝・腰が心配で下半身トレが怖い
- やる気はあるのに続かない
- 自分に合う強度・頻度が分からない
という状態なら、一度「運動の設計」を見直す価値があります。
姿勢・歩き方・しゃがみ動作などから状態を評価し、
あなたに合う形で段階設定(A→B→C)を行いながら、
「安全に続く運動」を一緒に作っていきます。
「週2回しかできない」「ジムに行けない」などの条件があっても大丈夫です。
生活に合わせて、できる形に落とし込むことが一番大切だからです。
最後に:次回予告(具体的なメニュー編)
今回は「考え方」と「基準(強度・頻度)」を中心にまとめました。
次回は、今回の内容を踏まえて
- 糖尿病の方にとって安全な筋トレの回数・セット・負荷(RPE)の具体例
- 歩行やバイクなど有酸素の強度の上げ方(インターバルの作り方)
- 膝・腰が不安な方でもできる段階別メニュー例
を、もう少し具体的に紹介していきます。
もし「自分の場合はどう組めばいい?」と思った方へ
HK LABOでは、評価をもとに「あなた専用の強度・頻度・メニュー」を整理して提案できます。
無理なく続く形から始めたい方は、お気軽にご相談ください。
愛知県豊明市 整体&パーソナルトレーニング HK LABO