変形性股関節症で歩くと股関節の外側が痛い方へ|原因とセルフケア
こんにちは。
愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。
現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。
姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。
今回は、変形性股関節症と診断され、歩くと股関節の外側に痛みが出る方に向けて、
痛みに関わる身体の動きとセルフケアの方法を解説します。
変形性股関節症では、骨や軟骨の変化だけでなく、股関節の動かしにくさや筋肉の硬さ、
それを補う骨盤の動きによって、歩くときの股関節への負担が大きくなることがあります。
同じ股関節外側の痛みでも、痛い側の足を着いた瞬間に痛む場合と、
痛い側の脚が後ろに伸びるときに痛む場合では、確認したい身体の動きやセルフケアの方法が異なります。
この記事は、次のような方に向けた内容です。
☑ 変形性股関節症と診断されている
☑ 歩くと股関節の前側から外側に痛みが出る
☑ 足を着いた瞬間、または脚が後ろに伸びるときに痛む
☑ 車の乗り降りや靴下を履く動きで痛みや動かしにくさがある
☑ 手術後も歩くと股関節に痛みが出る
歩くときに痛みが出るタイミングを確認しながら、身体の動きとセルフケアを順番に説明していきます。
Contents
股関節の構造
最初に股関節の構造を簡単に説明します。セルフケアを先に確認したい方は、こちらからお進みください。
股関節は「大腿骨」と呼ばれる太ももの骨と「骨盤」で構成されます。

大腿骨の上部はボール状になっていて、骨盤はそれを受けるように丸いくぼみになっています。
大腿骨が球状になっている事で股関節は可動範囲が大きく自由度の高い関節になります。
変形性股関節症とは?
変形性股関節症は、股関節の軟骨が徐々にすり減り、関節のすき間が狭くなったり、骨に変化が生じたりする病気です。
主な症状は股関節の痛みと動かしにくさで、進行すると歩行や階段、車の乗り降り、靴下を履く動きなど、
日常生活に影響することがあります。

(画像引用 公益社団法人 日本整形外科学会HP https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/hip_osteoarthritis.html)
日本では、臼蓋形成不全など股関節の形成に関わる要因を背景に発症するケースが多いとされています。
臼蓋形成不全とは、大腿骨の先端にある骨頭を受ける、骨盤側の受け皿が浅い状態です。
一方で、明らかな形成不全や原因となる病気がなくても、年齢とともに変形性股関節症を発症する場合があります。

(画像引用 公益社団法人 日本整形外科学会HP https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/hip_osteoarthritis.html)
変形性股関節症でみられる症状
変形性股関節症の主な症状は、股関節の痛みと動かしにくさです。
初期には、立ち上がりや歩き始めに脚の付け根が痛むことが多く、
状態が進むと長い時間歩くことや階段の上り下りがつらくなる場合があります。
一方で、痛みを感じる場所は脚の付け根だけではありません。
歩くと股関節の外側やお尻、太ももに痛みを感じる方もいます。
股関節の外側が痛む場合は、骨や軟骨の変化だけでなく、股関節周辺の筋肉の硬さや、
歩くときの骨盤と股関節の動きも確認する必要があります。
HK LABOでも、「足を着いた瞬間に股関節の外側が痛い」「痛い側の脚が後ろに伸びると痛い」といったご相談があります。
ほかにも、車の乗り降りや立ち上がりで痛む、股関節が曲げにくくて爪を切ることや靴下を履くことが難しくなる、
脚が開きにくくなるなどの症状がみられます。
歩くと股関節の外側が痛む原因
変形性股関節症は、「体重」「加齢」「運動不足」などが原因と言われることがあります。
もちろん、これらが変形性股関節症と無関係というわけではありません。
体重が増えれば股関節にかかる負担は大きくなり、年齢や運動量の変化によって筋力や関節の動きが低下することもあります。
また、臼蓋形成不全がある場合は、大腿骨の骨頭にかかる力を骨盤側の狭い面積で受け止めることになるため、
股関節の一部分へ負担が集中しやすくなります。
しかし、臼蓋形成不全があっても変形性股関節症にならない方もいれば、明らかな形成不全がなくても発症する方がいます。
体重や年齢についても同じように、一つの要素だけですべての痛みや変形を説明することはできません。
変形性股関節症にはさまざまな要素が関係しますが、
その中の一つとして確認したいのが、歩くときの股関節や骨盤の動きです。
歩き方によって股関節の一部分へ負担が集中している場合は、
その動きに関係する関節の硬さや筋肉の状態を確認する必要があります。
ここからは、歩き方と股関節の動きが外側の痛みにどのように関係するのかを説明していきます。
歩き方と股関節の硬さ
前述したように、変形性股関節症にはさまざまな要素が関係します。
その中で、歩くときに股関節へどのような負担がかかっているのかも、確認したいことの一つです。
歩き方は一人ひとり異なり、その違いによって負担のかかる場所も変わります。
私たちは重力のある環境で生活しているため、立っているときや歩いているときには、股関節や膝、足首などに体重がかかります。
歩くときに左右のバランスが崩れたり、骨盤や上半身が大きく動いたりすると、股関節の一部分へ負担が集中することがあります。
臼蓋形成不全や体重の増加などが重なると、さらに負担が大きくなる場合もあります。
変形性股関節症の方の中には、周囲の方から歩き方を指摘されたり、ご自身で歩き方の変化に気づいたりする方がいます。
例えば、歩くと骨盤が大きく揺れる、身体が左右に傾く、痛い側の足をかばってびっこを引くように歩くといった変化です。
もともとの関節の硬さや身体の使い方が歩き方に影響している場合もあれば、痛みをかばうことで歩き方が変わる場合もあります。
さらに、その歩き方によって同じ場所へ負担がかかり、痛みが続くという悪循環になることもあります。
そのため、見た目の歩き方だけを意識して直すのではなく、なぜその動きになっているのかを確認することが大切です。
その原因の一つとして考えられるのが、股関節の動く範囲が狭くなっていることです。
これは「関節可動域の制限」と呼ばれる状態です。
歩くときに脚を前へ出すためには、股関節をおよそ30度曲げる動きが必要になります。

しかし、股関節を十分に曲げられない場合は、脚を前へ出すために、骨盤を大きく前へ動かしたり、
太ももをひねったりして足りない動きを補います。

どの動きで補うかは一人ひとり異なりますが、このような動きを繰り返すことで、
骨盤や上半身が大きく動く歩き方につながります。
股関節の動く範囲は、筋肉や筋膜、靭帯などの状態にも影響を受けます。
股関節の動きを制限するものは一つではありませんが、股関節周辺の筋肉や筋膜の硬さも、その一つとして考えられます。
ここからは、歩くと股関節の外側に痛みが出る方にみられる2つの動きと、それぞれの動きに関わる筋肉について説明します。
歩くと股関節の外側が痛む方にみられる歩き方の特徴
歩くと股関節の外側に痛みが出る方でも、痛みが出るタイミングは一人ひとり異なります。
痛みが出るタイミングを確認することで、歩くときのどの動きで股関節に負担がかかっているのかを考える手がかりになります。
この記事では、歩くときにみられる動きを、大きく2つのパターンに分けて説明します。
1つ目は、痛い側の脚を前へ出し、足が地面に着くタイミングです。
このパターンでは、痛い側の脚を前へ出すときに、同じ側の骨盤が下がる動きがみられることがあります。

2つ目は、痛い側の脚が後ろへ伸び、反対側の脚を前へ出すタイミングです。
このパターンでは、股関節を後ろへ十分に伸ばせず、足りない動きを補うために、
骨盤が一緒に後ろへ引かれるような動きがみられることがあります。

歩いているときの骨盤の動きは、自分では分かりにくいと思います。
まずは、痛みが「痛い側の足を着いた瞬間」に出るのか、それとも「痛い側の脚が後ろへ伸びるとき」に出るのかを確認してみてください。
痛みが出るタイミングによって、確認したい身体の動きやセルフケアを行う場所が変わります。
すべての方に当てはまるわけではありませんが、歩くと股関節の外側に痛みが出る方には、
この2つのいずれか、または両方の動きがみられることが多くあります。
痛い側の足を着いた瞬間に痛む方
痛い側の足が地面に着いた瞬間に痛みが出る方には、
脚を前へ出すときに、同じ側の骨盤が下がる動きがみられることがあります。
右の股関節に痛みがある場合は、右脚を前へ出すときに右側の骨盤が下がり、身体が右側へ傾くような動きです。

骨盤が大きく下がると、身体が痛い側へ落ち込むように足を着きやすくなり、地面から受ける衝撃も強くなります。
本来は、足を着いたときに足首や膝、股関節が連動して動くことで、地面から受ける衝撃を分散させています。

しかし、足首や膝、股関節に動かしにくさがあると、衝撃を十分に分散できず、股関節で受け止める負担が大きくなります。
このような足の着き方を繰り返すと、股関節の同じ部分に負担が集中し、
歩いたときの股関節外側の痛みや、変形が進行する原因の一つになります。
骨盤が下がる理由とセルフケア
では、なぜ痛い側の脚を前へ出すときに、骨盤が下がるのでしょうか。
原因の一つとして考えられるのが、股関節を前へ曲げる動きの不足です。
股関節を十分に曲げられない状態で脚を前へ出そうとすると、足りない動きを補うために骨盤も一緒に動きます。
歩き方を意識することで一時的に骨盤の動きを抑えられることはありますが、
股関節の動かしにくさが残ったままでは、自然な歩き方を続けることは難しくなります。
そのため、歩き方だけを意識して直すのではなく、股関節の動きを妨げている筋肉の硬さを確認することが大切です。
このパターンで確認したい筋肉の一つが、太ももの内側にある「大内転筋」です。

大内転筋は、太ももの内側から後方にかけて付いている筋肉です。
この筋肉が硬くなると、股関節を曲げて脚を前へ出す動きが制限されます。
その状態で脚を前へ出そうとすると、大内転筋に引っ張られて骨盤も一緒に動き、痛い側の骨盤が下がる原因の一つになります。

大内転筋の硬さを和らげるセルフケアとして、まずはフォームローラーを使う方法を紹介します。
画像のように、ほぐしたい側の太ももの内側へローラーを置きます。


ローラーに内ももを乗せた状態で、脚をゆっくり動かしながらローラーを転がします。
大内転筋は太ももの内側から少し後方にあるため、ローラーを当てる位置を少しずつ変えながら、
硬く感じる場所を探してみてください。
強く押しすぎず、痛気持ちいい程度の圧で行います。
大内転筋は、手でもほぐすことができます。
ほぐしたい側の膝を曲げ、あぐらをかくように脚を横へ倒します。
力を抜いて、内ももに触れやすい姿勢を作ってください。

この状態で、内ももの少し後方にある硬い部分を探し、筋肉を横切るように指でゆっくりほぐします。
太ももの付け根に近い前方には、恥骨筋や長内転筋があります。
大内転筋は、それらの筋肉よりも内側から少し後方にあることをイメージすると触れやすくなります。
ローラーと手のどちらの方法も、全体で3分程度を目安に行います。
同じ場所を強く押し続けず、硬く感じる場所や押して痛気持ちいい場所を中心にほぐしてください。
痛い側の足を着いた瞬間に痛みが出る方は、太ももの外側にある「外側広筋」も硬くなっていることがあります。

そのため、大内転筋と一緒に太ももの外側も確認し、硬さがある場合は画像のようにローラーでほぐします。
太ももの外側も痛気持ちいい程度の強さで、大内転筋の半分ほどの時間を目安に行ってください。

痛い側の脚が後ろへ伸びるときに痛む方
次は、痛い側の脚が後ろへ伸びるタイミングで、股関節の外側に痛みが出るパターンです。
右の股関節に痛みがある場合は、左脚を前へ出し、右脚が身体よりも後ろへ伸びるときに痛みが出ます。
このパターンでは、痛い側の股関節を後ろへ伸ばす動きが小さくなっていることがあります。
。

歩くときには、前に出した脚だけでなく、身体の後ろに残った脚の股関節を伸ばす動きも必要です。
股関節を十分に後ろへ伸ばせる場合は、股関節の動きを使って脚を後ろへ送ることができます。
しかし、股関節を後ろへ伸ばす動きが小さいと、足りない動きを補うために骨盤を後ろへ回しながら脚を前へ出します。
本来は、大腿骨の先端にある骨頭が、骨盤側の臼蓋の中で滑らかに動きます。
股関節の動きが制限されていると、骨盤と大腿骨の動きが小さくなり、股関節の同じ部分へ負担が集中しやすくなります。

このような歩き方を繰り返すと、股関節の一部分に負担が集中し、
歩いたときの股関節外側の痛みや、変形が進行する原因の一つになります。
脚を後ろへ伸ばしにくくなる理由とセルフケア
では、なぜ痛い側の股関節を後ろへ伸ばしにくくなるのでしょうか。
原因の一つとして考えられるのが、股関節の内側から前方にある「内転筋群」の硬さです。
内転筋群には、大内転筋や長内転筋、恥骨筋など複数の筋肉があり、骨盤から太ももの骨に向かって付いています。

内転筋群が硬くなると、股関節を後ろへ伸ばす動きが制限されます。
その状態で脚を後ろへ伸ばそうとすると、足りない動きを補うために骨盤が後ろへ回り、
股関節の一部分へ負担が集中しやすくなります。

画像では、内転筋群の一つである大内転筋を例に、内ももの筋肉が股関節の動きに影響する様子を示しています。
股関節を後ろへ伸ばしやすくするためには、内転筋群の中でも、太ももの付け根に近い前方にある恥骨筋や長内転筋を確認します。
座った状態で脚を無理のない範囲に広げ、内ももの付け根に近い部分を前方から手で触れます。
大内転筋をほぐす位置よりも前方で、太ももの付け根に近い部分を指でゆっくり押しながら、硬く感じる場所を探します。


ローラーでは付け根に近い部分へ圧をかけにくいため、この場所は手でほぐす方法がおすすめです。
強さは痛気持ちいい程度にとどめ、全体で3分程度を目安に行ってください。
まとめ|歩くと股関節の外側が痛む方へ
今回は、変形性股関節症と診断され、歩くと股関節の外側に痛みが出る方に向けて、
歩き方と身体の動き、セルフケアについて説明しました。
変形した骨をセルフケアやリハビリで元の形に戻すことはできません。
しかし、痛みの強さは骨の変形だけで決まるものではなく、股関節の動かしにくさや筋肉の硬さ、
歩くときの骨盤の動きなども関係します。
痛い側の足を着いた瞬間に痛む場合と、痛い側の脚が後ろへ伸びるときに痛む場合では、
確認したい身体の動きやケアする筋肉が異なります。
まずは、ご自身の痛みが歩行中のどのタイミングで出るのかを確認し、
この記事で紹介したセルフケアを痛気持ちいい程度の強さで行ってみてください。
股関節の状態によっては、セルフケアだけでは痛みが和らがない場合もあります。
痛みが続く場合や歩くことがつらくなっている場合は、整形外科などの医療機関で股関節の状態を確認してもらうことも大切です。
手術が必要な状態もあるため、手術が良い・悪いということではありません。
一方で、手術を希望していない方は、医師と相談しながらリハビリや身体のケアに取り組むことも選択肢の一つです。
また、手術後も歩くときに痛みや動かしにくさが残っている場合は、
股関節の可動域や筋力だけでなく、歩き方や骨盤の動きも確認する必要があります。
変形性股関節症に対するケアは、今回紹介した方法がすべてではありませんが、
歩くときの股関節外側の痛みを和らげるための一つのヒントとして、この記事を役立てていただければと思います。
本日は長文を最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。
柔道整復師 服部 耕平
愛知県豊明市のHK LABOでは、歩くときのどのタイミングで股関節の外側に痛みが出るのかを確認し、股関節の動き、骨盤の位置、足首や膝の動きなどから、痛みにつながる身体の状態を確認します。
一人ひとりの状態に合わせて、筋肉や筋膜のケア、ストレッチ、歩行練習、リハビリ・エクササイズなどを組み合わせ、痛みを和らげて歩きやすい身体づくりをサポートします。
次のようなお悩みがある方は、一度ご相談ください。
- 変形性股関節症と診断され、歩くと股関節の外側が痛む
- 痛い側の足を着いた瞬間に痛みが出る
- 痛い側の脚が後ろへ伸びると痛みが出る
- 周囲から歩き方や身体の傾きを指摘された
- セルフケアを続けても痛みの変化を感じにくい
- できれば手術以外にできることも探したい
変形性股関節症や歩行時の股関節痛に対するHK LABOの施術については、こちらをご覧ください。
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