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ふくらはぎのむくみ、だるさでお困りの方へ。

こんにちは。

愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。

現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。

姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。

 

今回は女性で悩まされる方が多いふくらはぎの浮腫み、だるさについて書いていこうと思います。

病名を言われたわけではないけど、この浮腫みやだるさでお困りの方は多いのではないでしょうか。

 

当院にもこのような悩みの方は多くみえます。

 

運動不足や筋力の問題、年齢のせいにされてどうしたらいいかわからない。

もしくは薬を飲んでるけど一向に良くならない、という方もみえるのではないでしょうか。

心不全や腎不全、甲状腺の機能低下など内科的に原因がわかっている方を除くと、なかなかレントゲンやMRIなどの画像検査でも原因がわからないので治療法も確立されていません。

 

 

そのような方に向けて今日はなぜ浮腫み、だるさが起きるのか。

どうしたらいいのかという事を説明したいと思います。

 

Contents

浮腫み、だるさの原因となっている筋肉

 

最初に浮腫みの話の前に、浮腫みやだるさに関わる筋肉の紹介をしていきます。

 

今回ピックアップする下腿後面には「下腿三頭筋」と呼ばれる筋肉があります。

 

 

この下腿三頭筋は「腓腹筋内側頭」「腓腹筋外側頭」「ヒラメ筋」と呼ばれる3つの筋肉が組み合わさっています。

 

 

 

 

この筋肉の機能としては足首を下に伸ばす動き(底屈)をするときに収縮する筋肉です。

 

 

今回のふくらはぎの浮腫みだるさはこの下腿三頭筋の機能低下の影響が関与していると考えています。

 

 

なぜ浮腫み、だるさが出るのか

 

浮腫みだるさがなぜ出るのかというと、これは循環障害の影響と言えると思います。

 

ここまでは何となくわかっている方も多いと思いますが、その循環障害がなぜ起こるかが重要だと思います。

これが解消されないと血流などの循環を改善する薬を飲んでも対症療法なので、効果が弱くなると考えています。

 

では、血液循環に影響を及ぼすものとしては心臓によるポンプ作用、動脈自体の弾性によるポンプ作用、筋肉によるポンプ作用があります。

 

その中でも今回は筋ポンプ作用の説明をしたいと思います。

 

筋肉が収縮することで血管(静脈)が圧迫され、血液の流れが良くなります。また筋肉が弛緩すると下方より血液が上に向かってへ流れます。この働きの事を「筋ボンプ作用」と言います。

 

足のむくみの原因は主に3つ

(イラスト引用 https://health-vein.com/varix/varix-column/veins/ )

 

いろいろな場面で出てきますが、地球上で生活をしている以上、重力の問題は必ず出てきます。

重力がある以上、物質は上から下へと移動(落下)していきます。

 

血液でも下(下肢)に流す事よりも心臓に戻すことの方がエネルギーが必要になります。

 

その重力に逆らって上に運ぶためにはこの筋ポンプが重要になります。

ふくらはぎが第2の心臓と呼ばれるのはこの機能によって下肢の血液を心臓に戻しているためです。

 

しかし、下腿三頭筋がうまく使えなくなる(収縮がうまく出来なくなる)と心臓に血液を戻す力が弱くなるため浮腫みやだるさの原因になるという事です。

 

 

下腿三頭筋の機能低下の原因は

 

では、下腿三頭筋の機能がなぜ低下するのか。なぜうまく収縮できなくなるのか。

 

これを筋力が弱くなったせいと思われて下腿三頭筋のトレーニングをしたり、勧められてた方もみえると思います。

 

その問題が無いとは言いませんが、大きな問題は足首の硬さ(底屈の硬さ)と後方重心(踵重心)にあると考えています。

 

 

底屈制限による下腿三頭筋機能低下

 

下腿三頭筋というのは底屈作用があると冒頭でも述べましたが、この動きが硬くなると下腿三頭筋は使いづらくなります。

 

筋肉がうまく使われるためには収縮と伸長(弛緩)がうまく行われなくてはいけません。

しかしそもそも可動域が少なければこの収縮と伸長がうまく行われません。

そのため、底屈可動域があるかどうかは大切なことだと考えています。

 

後方重心による下腿三頭筋機能低下

 

そして、下腿三頭筋は底屈作用だけではなく下腿(スネ)が前に倒れないように支える作用があります。

 

 

身体を前に倒すと体が倒れないように足の裏で踏ん張ると思います。この力ですね。

 

言い換えると下腿(スネ)が前に倒れない事には下腿三頭筋はあまり使われないという事です。

 

後方重心ではこのスネの前傾が起こりにくくなり下腿三頭筋の機能低下しやすく、浮腫みやだるさが出やすくなります。

 

ふくらはぎの浮腫み、だるさを解消するための筋膜リリース

 

上記で底屈制限や後方重心がむくみやだるさの原因になりやすいという事を説明してきました。

ここからは具体的にどの筋肉が原因でそれが起こっているのか、どのようにほぐしていくのかを説明していきます。

 

底屈制限の原因とリリース方法

 

まず底屈制限の原因となる筋肉の一つに「前脛骨筋」と呼ばれる筋肉があります。

 

 

このようにスネの前方にある筋肉になるのですが、この筋肉が硬くなると底屈の際に突っ張ってしまいます。

 

 

 

この可動域を確保する為には前脛骨筋の柔軟性が必要になります。

 

さてここからはリリース方法ですが、前脛骨筋のリリース方法はそれほど難しくありません。

そのままなのですが、この部分を指でぐりぐりとほぐしていくだけです。

 

 

 

もしできればリリース前後で底屈の可動域や立った状態で踵上げのしやすさを確認してみて下さい。

上手くリリースが出来ていれば底屈や踵上げがしやすくなると思います。

 

これを毎日3分程度頑張ってみて下さい。

 

 

後方重心の原因とリリース方法

 

後方重心になる原因はたくさんあるのですが、その中の一つにお尻の筋肉「大殿筋」と呼ばれる筋肉があります。

 

 

 

大殿筋はこのように骨盤に幅広く付着しています。

 

この大殿筋が硬くなることで骨盤を後傾(後ろに傾ける)させます。

後傾すると背骨が丸くなり上半身の重心が後ろにいきやすくなります。

 

 

これでは前方に重心を乗せにくくなります。

 

その為、大殿筋も前脛骨筋同様に柔軟性を確保しておく必要があります。

 

大殿筋の筋膜のリリース方法は可能であれば筋膜リリース用のボール、なければテニスボールや野球ボールを使用して仰向けで寝て、お尻の下にボールを置き体重を少しかけてお尻を横に動かします。(写真は体を起こししていますが、寝た状態でも大丈夫です)

 

 

3分~5分ほどを目安に転がしてもらうとしっかりとリリースされて、柔軟性が改善されます。

ボールは硬い方が効果が大きいですが、その分痛みも強くなるので痛みに合わせて選んで頂いて大丈夫です。

 

続いてお尻の筋肉のストレッチの方法ですが、写真のように椅子に腰かけてもらい、伸ばしたい方の足を反対の膝の上に乗せます。

 

 

この状態で骨盤を前に倒すように体を倒していくとお尻に伸張感が出ると思うので、伸張感が出たところで10~20秒ほど我慢して筋肉を伸ばしていきます。これを3セット行ってみてください。

 

無理に体を倒そうとすると腰が丸くなってしまうので、腰ではなく骨盤を倒すことがポイントになります。

胸を張って骨盤を立てるだけでも伸張感が出ると思うので軽く伸張感が出れば大丈夫です。

 

 

まとめ

 

 

今回はふくらはぎの浮腫みやだるさについて書いてみました。

正直書いていて少しわかりづらいかなと思う部分もありまし、これ以外にもむくみやだるさの原因になる事はたくさんあります。

 

大切なことは原因がよく分からないと思われるようなむくみやだるさにもこういった原因はあるという事です。

 

人によってはその原因がいくつも絡み合っている可能性がありますが、1つ1つ原因を解消していけば長年悩まされているむくみやだるさも解消される可能性があるという事です。

 

ふくらはぎの浮腫みやだるさで悩まされている方は今回の内容を一度試してみて下さい。

 

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

服部 耕平

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