研究所

HOME > 研究所 > 下肢の治療 > こむら返り > 「起床時にふくらはぎがつる」とお困りの方へ。

「起床時にふくらはぎがつる」とお困りの方へ。

こんにちは。

愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。

現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。

姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。

 

Contents

はじめに

 

今回は高齢の女性を中心にお困りの方が多い起床時のこむら返りについて解説をしたいと思います。

いわゆる「足が攣る」というやつです。

様々な場面で足が攣ることはあると思いますが、当院にみえる方の中でも多いので起床時です。

動きとしては伸びをしようとしたら攣ると言われる方が多いです。

 

このこむら返りは水分不足、ミネラル不足、ビタミンやカルシウム不足など様々な原因があります。

こむら返りの原因は多種多様であり、原因を特定することはとても難しいと思います。

 

今回はその中でも僕の専門である筋肉の硬さという観点から足が攣る原因とどこの筋肉をほぐしていくのかを説明していきます。

 

こむら返りってなに?

 

こむら返りや足が攣る現象は分かっている方も多いと思いますが、実際に何が起きているのかミクロな視点で説明していきます。

筋肉というのは太いミオシンフィラメントと細いアクチンフィラメント繊維からなります。

筋肉が収縮するときは太いミオシンフィラメントの間をアクチンフィラメントが滑り込むことで収縮します。

ATPを使った筋収縮のメカニズム ミオシンの首振り運動 | ゴローの解剖生理学勉強法

 

逆に弛緩するときにはアクチンフィラメントがもとに位置に戻ります。

 

簡易的な説明ですが、このように筋肉は収縮と弛緩を繰り返して体を動かしています。

 

足が攣るというのは過収縮の状態で筋肉が縮んだまま弛緩が出来なくなった状態とも言えます。

 

 

なぜこむら返りが起きるの?

 

これは言い換えるとなぜか収縮が起こるのかという事になります。

これは冒頭にも挙げたようにマグネシウム不足、カルシウム不足など様々な説が言われます。

しかし、そういった栄養や内面的な要素よりも筋肉自体の柔軟性の低下が大きく関わっていると考えています。

 

一つに足関節を底屈(背伸びをするような動き)方向に力を入れ続けると無理やり攣らせる事が出来ます。

この底屈によってこむら返りが起こせるという事は、栄養面を変えなくても収縮方法の変化だけで攣るという事が言えると思います。

つまり単純に力を入れすぎると過収縮が起こるという事です。

 

これだけ聞くと当たり前と思う方もみえると思いますが、「なぜ力を入れすぎるのか」という部分が大切だと思います。

 

起床時に足が攣る方は

「そんなに力を入れていないけど」

「伸びをしただけだけど」

と思う方もいると思います。

 

しかし、実は力が入っているという方がほとんどです。

これは無意識のレベルなのでなかなか自覚はしづらいと思います。

 

なぜ過収縮がおこるのか

 

では、力が入ってしまう原因つまり過収縮の原因を説明していきます。

これは攣る筋肉自体の硬さもあるのですが、拮抗筋と呼ばれる反対の作用をする筋肉の硬さが問題になります。

 

今回は攣る場所がふくらはぎという事で説明したいと思います。

ふくらはぎというのは下腿三頭筋と呼ばれる筋肉で主に底屈の作用があります。

 

ほとんどの方がこの底屈の際に下腿三頭筋が攣ると思います。

 

この拮抗筋というのは下腿の前面にある「前脛骨筋」「長趾伸筋」「長母指伸筋」などが挙げられます。

これらの筋肉は背屈と呼ばれる底屈とは反対の作用があります。

 

それと同時にこれらの筋肉は底屈を邪魔する筋肉でもあります。

 

3つの筋肉が硬くなると底屈の邪魔になるため、底屈をするためには下腿三頭筋はいつも以上の力が必要になります。

この時に過収縮が起こりふくらはぎが攣るという事です。

朝というのは筋肉がいつも以上に硬くなっています。

 

この状態で伸びをすると自分では気付かないレベルで下腿三頭筋には力が入っているという事です。

そのため、ふくらはぎがよく攣る方は下腿三頭筋の硬さを改善するだけでなく、スネの筋肉の柔軟性も改善させる必要があります。

 

こむら返りの改善方法

 

では、ここからは実際に筋膜リリース(ほぐし)の方法です。

まずは実際にこむら返りが起こる下腿三頭筋の筋膜リリースの方法です。

下腿三頭筋は腓腹筋とヒラメ筋と呼ばれる筋肉の総称です。

これらの筋肉はふくらはぎに幅広くつく筋肉になります。

 

この部分を手やボール、ローラーでグリグリと強めにほぐして下さい。

 

攣った場所が細かく分かる方はその部分が固まっているのでそこも中心にほぐして下さい。

 

これに加えて先ほど説明したスネの筋肉もほぐしていきます。

スネにも筋肉は3つあります。

 

この部分はローラーなどではほぐしにくいので手でほぐすのが良いと思います。

このスネの筋肉も手で強めに押しながらグリグリとほぐしてみて下さい。

特に足首の前の方が硬くなりやすく可動域の制限にもなりやすいのでそこ眞入念にほぐして下さい。

 

これらの筋肉をリリースすることで筋肉の硬さと関節の動きが改善されて再発しにくくなります。

 

最後に

今回は「起床時にふくらはぎが攣る」とお困りの方に向けて解消方法を解説しました。

こむら返りも年齢のせいと諦めている方も多いですが、このような症状にも必ず原因はあります。

それが水分不足かもしれませんし栄養不足かもしれません。

しかし、単純に筋肉の硬さが原因の事も多いと考えています。

 

筋肉の硬さは自分でも改善させやすいので長年こむら返りでお困りの方は一度試してみて下さい。

しかし、いつも言いますが足首が硬くなる原因もスネの硬さだけではありません。

股関節の柔軟性が低下しても足首が硬くなることがあります。

その辺りの原因を見つけることは自分では難しいと思うので、今回の内容で改善しない方は一度専門家にみてもらって下さい。

 

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。

 

服部 耕平

一覧へ戻る

TOPへ