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「ランニング中に胸が痛くなる」とお困りの方へ。

こんにちは。

愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。

現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。

姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。

 

Contents

はじめに

 

ランニング中に側腹部(横っ腹)や胸が痛くなることありませんか?

今回は病名はつきませんが、「走った時に胸が痛くなる」という症状について解説を行いたいと思います。

 

ランナーはこのような痛みが出ると練習の質が下がりストレスになります。

しかし、このような痛みはネットで調べてもなかなか解決策は書いていないと思います。

個人的にはそのような症状も筋肉や解剖学的な理由で説明がつくと考えていますので、その解説を行います。

 

今回、注意して頂きたいのはランニング中の胸の痛みの中には狭心症や肺疾患の可能性もあります。

そのため、ランニングを中止しても痛みが軽減されない場合はまず先にそちらの検査を行ってください。

 

今回の内容は心疾患、肺疾患ではないという前提で解説をさせて頂きたいと思います。

 

目安としては

◎ 呼吸の時に空気を吸った時に痛みが強くなる。

◎ 少し背中を丸めた時に胸の痛みが軽減される。

 

この二つが当てはまる方は今回の内容に当てはまる可能性が高くなるので、ぜひご参考にしてみて下さい。

 

どうして走ると胸が痛くなるの?

 

まずは胸が痛くなる理由から説明します。

僕の治療範囲の中(筋肉や筋膜、姿勢の観点)の話になりますので、予めご了承ください。

 

胸郭の構造

 

まずは胸郭の構造について簡単に説明していきます。

 

胸郭というのは胸の中央にある胸骨、肋骨と背骨である胸椎と呼ばれる骨で構成されている部分を言います。

 

 

ここに上に鎖骨、後方には肩甲骨があり上肢(腕)と連結する土台になる部分にもなります。

 

この中でも今回は肋骨に注目したいと思います。

 

肋骨の間には肋間筋と呼ばれる呼吸に関係する筋肉があります。

 

肋間筋は内肋間筋と外肋間筋に分けられ、

内肋間筋は肋骨を引き下げながら、呼気(息を吐く時)に働く筋肉です。

 

逆に外肋間筋は肋骨を引き上げながら、吸気(息を吸う時)に働く筋肉です。

 

これとは逆に呼気時には外肋間筋が、吸気時には内肋間筋が伸張されるとも言えます。

 

今回の胸の痛みはこの肋間筋が関係していると考えています。

 

 

内肋間筋による胸の痛み

 

結論から言うと今回のようなランニング中の胸の痛みは内肋間筋が関わっていることが多いと考えています。

 

 

それがなぜかという事を説明したいと思います。

 

今回のような症状でお悩みの方の多くは胸を張りすぎている方が多いです。

ランナーの方は胸を張ることを意識される方が多いと思いますが、張りすぎもよくはありません。

 

胸を張るというのは肋骨が引き上げられ、前方が広がる状態になります。

 

この状態からさらに呼吸の際に息を吸った時にはさらに肋骨が引き上げられます。

先ほども息を吸う際には内肋間筋が伸張されるという説明をしました。

これは肋骨が引き上げられるからです。

 

走る時に胸を張りすぎる方はこの内肋間筋が過伸張されることで痛みが出ます。

 

このような方で呼吸を少し浅くしたり、少し背中を丸めるようにして痛みが軽減される方はこの内肋間筋の過伸張が原因の可能性が高いです。

 

意識して胸を張りすぎないようにすることも大切ですが、胸を張る原因を見つけることも大切です。

 

次の章ではなぜ胸を張ってしまうのか、という部分を説明したいと思います。

 

 

胸を張りすぎる原因は?

 

胸を張りすぎる原因は背中の筋肉になります。

「棘筋」「最長筋」「腸肋筋」と呼ばれ、まとめて脊柱起立筋群と言ったりもします。

 

 

 

これらは背中を反らして、胸を張る作用がある筋肉です。

そして硬くなるこの姿勢が常態化します。

 

この姿勢を肋骨レベルで細かく見ていこうと思います。

 

これらの脊柱起立筋群は肋骨の背部についています。

そのためこれらの筋肉が硬くなると肋骨の後面は下に引き下げられ隙間が狭くなります。

 

これと同時に表裏一体になっている肋骨の前面は挙上して隙間が広がります。

 

脊柱起立筋が硬くなることで「肋骨の前面の隙間が広がる」

 

これによって今回の痛みの原因としている内肋間筋は伸張されます。

さらにここからランニングで呼吸が乱れて大きく息を吸うとさらに肋骨は広がり、内肋間筋も引き伸ばされます。

 

これが今回のランニングの際の胸の痛みに繋がります。

 

脊柱起立筋の筋膜リリースの方法

 

ここからはその硬くなった脊柱起立筋群の緩め方について解説をしていきます。

 

背中にある筋肉なので自分の手でリリースする事は難しいです。

この筋肉を筋膜リリース(緩める)為には、ボールか筋膜リリースのローラーを使います。

 

仰向けで寝た状態でこの起立筋群の位置にボールやローラーを当ててゴロゴロと転がします。

 

 

体重をかけた方が緩みやすいですが、あまりにも痛みが強い方は立った状態で壁を使って頂いても大丈夫です。

 

上手くほぐせると今回説明してきた胸を張りすぎる姿勢が改善されていきます。

しかし、背中にある筋肉なのでボールやローラーを使用してもほぐすのが難しいので硬くて痛みのある部分を探しながらほぐしてみて下さい。

 

最後に

 

今回はランニング中の胸の痛みの解説を行いました。

 

自分でいうのもなんですが、この内容を筋肉や筋膜の視点から解説している人は少ないのではないでしょうか?

もちろんこれが全ての胸の痛みの原因ではありませんので、様々なことを複合的に考える必要があります。

 

 

しかし、今回のようなレントゲンやMRIの検査をしてもわからないランニング中の胸の痛みは、この肋間筋の痛みもあります。

整形でもここまでは調べる事はほとんどないと思います。

 

このような痛みは原因不明のまま流されてしまう場合が多いと思いますし、多くの方が治療で治る事だと思っていないのではないでしょうか。

 

個人的には痛みや不調には必ず原因があると思っています。

胸の痛みでお困りのランナーの方にこういった痛みの原因があると知って頂いて、少しでもお役に立てていれば幸いです。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

服部 耕平

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