変形性膝関節症のクライアントさんの改善例の紹介
こんにちは。
愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。
現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。
姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。
Contents
はじめに
クライアントさんシリーズで実際にHK LABOのクライアントさんの治療の解説をしていきます。
今回のクライアントさんは両膝の変形性膝関節症で手術が必要と言われましたが、手術はしたくないという想い当院に来られました。
痛みは左が強く、伸展制限(膝が伸びない)もあります。
それを踏まえて、まずは治療前後の動画を見てみて下さい。
治療前は左膝の正面と内側に歩行時痛があったようですが、治療後は痛みが無くなったと言われていました。
もちろんこの一回で治ったわけではないので、まだ痛みは出てくると思いますが、このように繰り返しやっていけば改善に向かうかなと考えています。
今回の問題点
今回のクライアントさんは71歳の女性になります。
このクライアントさんの大きな問題は膝の伸展制限です。
膝が浮いているのが分かると思います。
この伸展制限が原因で歩行時も膝が伸ばせなくなっています。
この伸展制限に加えて太ももの外旋(膝が外向く動き)という問題が加わることで通常よりも痛みが強くなっていると考えました。
その二つについて説明したいと思います。
膝伸展制限による問題
まずは膝が伸びない、伸展制限の問題です。
これは膝にとって非常に重要でこの方の場合は特にこの伸展制限が強いです。
これだけで伸展制限があると歩行時は膝が常に曲がった状態になります。
膝は曲がった状態で体重がかかると体重に押されてさらに曲がります。
それを太ももの前の四頭筋と呼ばれる筋肉が働いてそれ以上曲がらないように止めてくれます。
これが常に行われると大腿四頭筋や四頭筋がついている膝蓋骨(膝のお皿)に過度な負荷が加わり痛みを生じます。
さらに膝は伸びきった状態(伸展位)で安定する関節です。
常に曲がった状態だと体重がかかった際に左右にも膝が揺れやすくなります。
大腿外旋の問題
膝が内を向く場合と外を向く場合がありますが、このクライアントさんは外を向いています。
この太ももの外向きの捻じれと先ほどの伸展制限が組み合わさりこの方は膝が外に揺れています。
がに股になるように膝が外に割れると内側の関節の隙間が狭くなり、骨同士が衝突しやすくなります。
これが膝内側の痛みの原因だと考えています。
変形性膝関節症の方はこの2つの問題がある方がとても多いです。
この問題を解決するだけでも、痛みが大きく改善される方もみえると思います。
内転筋リリースによる効果
大きく2つの問題点を説明しましたが、今回の場合そのどちらにも影響を出していたのは内転筋です。
その中でもメインになるのは「大内転筋」と呼ばれる筋肉です。
この筋肉の硬い部分をしっかりとリリースしていきます。
今回はリリースに関しては詳しく説明しないので興味ある方は変形性膝関節症ブログをご覧下さい。→ 歩行時の膝内側の痛み「変形性膝関節症」でお困りの方へ。
すると膝の伸展制限や股関節の外旋が修正されて動画のように、歩き方にも変化が出ました。
動画の解説
冒頭の動画の解説をしたいと思います。
まずは膝のラテラルスラストと呼ばれる膝の揺れからです。
左足の着地の際に膝が外側に動きますが、治療後にはその幅が若干減っているのがわかるかと思います。
少しの差ですが、これによって膝内側の骨の衝突が軽減したと考えています。
もう一つは膝が伸びて足が後方に伸びるようになりました。
これも大きな変化ではないのでわかりずらいかもしれませんが、静止画にすると若干変化がるのがわかるかと思います。
若干後方に脚が伸びているのと黒色のズボンなので分かりずらいですが、よく見ると膝が伸びているのもわかるかなと思います。
それに加えて治療後の方が姿勢が前かがみになっているのがわかるでしょうか?
治療後の方が地面をぐっと押して前に進もうとしている雰囲気ですね。
これも重要で後方重心になるとそれも膝が曲がる原因にもなるので、少しでも前方に重心が変わることで膝が曲がりにくくなり、間接的に膝の痛みの軽減になります。
まとめ
今回は変形性膝関節症のクライアントさんの解説を行いました。
今回は一回の治療前後の動画なので分かりにくい部分もあるかもしれませんが、これを継続していくと膝は伸びて歩き方もどんどん良くなると思います。
まだまだクライアントさんの目標までには時間がかかると思いますが、お互いに諦めずに一緒に治していこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
服部 耕平