歩くといつも片側の腰が痛くなる方の原因と改善方法
こんにちは。
愛知県豊明市にある、HK LABOの服部 耕平です。
現在までに整形外科専門病院、デイサービス、トレーナー活動で様々な痛みでお困りの方の施術をさせて頂きました。
姿勢や歩き方などの動作から一人一人の方の痛みに合わせた治療をおこなっております。
Contents
はじめに
今回は歩行時に片側の腰痛でお困りの方に向けて解説を行います。
このような症状で整形でみてもらってヘルニアや脊柱管狭窄症、変形性脊椎症などの診断を受けている方もみえると思います。
中にはレントゲン上は問題ないと言われて、様子を見ている方もいると思います。
では原因不明なのかというとそうではありません。
こういった痛みにも必ず原因があります。
今回のような症状でお困りの方でいつも同じ側に腰痛が出る方が多いのではないでしょうか。
それはたまたまではなく、歩きのクセによって片方の腰に負担がかかっているからです。
今回は姿勢や歩き方からなぜ片方だけ痛くなるのかを解説していきます。
※今回は歩行時の前半層(脚を前に出した時)に痛みが強く出る方に向けて書きます。
脚が後方に伸びた時に痛みが出る方はまた別の治療法になりますので、ご注意下さい。
なかなか自分では判断しにくいと思いますが、またそちらもブログで挙げようと思います。
なぜ片側に腰痛が出るのか
歩行時の腰痛の原因骨盤スウェー
では歩行時の腰痛の原因について解説していきます。
歩行時の腰痛の原因は「骨盤の揺れ」にあります。
専門的には骨盤スウェーと言ったりします。
どういうことかと言うと、歩行時に腰痛がある方の多くは痛みが出る側の脚を前方に出して足を衝いた時に骨盤が外側に揺れます。
痛みが左にある方は左に骨盤が揺れるという事です。
これを骨盤スウェーと言います。
スウェーは揺れやふらつきといった意味があります。
骨盤が安定せずにふらついて揺れるという事です。
こんなこと誰れも起こるんじゃないかと思われるかもしれませんが、そんな事はありません。
股関節周囲の筋肉に柔軟性があったり、筋力がある方はこのスウェーがそれほど出ません。
ではなぜスウェーが出ると腰に痛みが出るのかを解説します。
骨盤スウェーによる影響
まず骨盤に付く筋肉の話をしたいと思います。
骨盤に付く腰部の筋肉の一つに「腰方形筋」という筋肉があります。
この筋肉は肋骨から始まって骨盤に付きます。
今回のような腰痛はこの腰方形筋が関わっていることが多いので、この様な筋肉があるという事を頭に入れておいてください。
では骨盤スウェーが腰方形筋にどのような影響を与えるのか。
骨盤スウェーというのは骨盤が横に揺れるという事は先ほど説明しましたが、
歩行時にスウェーが起こるとこの腰方形筋が引っ張られることになります。
このような牽引力が歩く度に腰方形筋に加わることになります。
一回の牽引力はそれほど大きな力ではありません。
なので、すぐにズキッと痛む訳ではありませんが、長時間歩くことでこの牽引力が腰方形筋に繰り返し加わります。
それによって、ズキッと痛むと言うよりは鈍痛が出る方が多いと思います。
これが片側性の腰痛の原因になります。
なので、この腰痛を解決するためには腰の筋肉を緩める事ではなく骨盤スウェーを改善させる必要があります。
何で骨盤スウェーが起きる?
ではなぜ骨盤スウェーが起こるのでしょうか。
それを説明していきます。
これは筋肉の硬さですね。
筋肉が硬くなって可動域が足りない為に筋肉が骨盤を引っ張ってしまうのでスウェーが起こります。
じゃあ骨盤スウェーを起こしている筋肉はどこかということですが、
内ももにある内転筋がその一つです。
内転筋は骨盤から大腿骨に付く筋肉です。
この筋肉は基本的には太ももを内側に寄せる内転と呼ばれる動きに関わります。
ただ歩行時は脚が地面に着いているため脚(太もも)が固定された状態になります。
太ももが固定された状態では大腿骨が動くのではなく、骨盤側が動きます。
そうなると同じ股関節の内転でも骨盤側が動く事になります。
これが骨盤スウェーの原因になります。
このように骨盤スウェーの原因になる筋肉としてもう1つハムストリングスも挙げられます。
この筋肉は太ももの後方にある筋肉になります。
この筋肉が硬いと脚を前方に踏み出した時に骨盤を引っ張ってしまいます。
この時にハムストリングスは骨盤を後傾方向にも引っ張ります。
後傾というのは骨盤が後ろに倒れる事です。
骨盤が後傾すると先ほどの腰方形筋は伸張されます。
これによっても腰方形筋には伸張ストレスが加わります。
さらに、骨盤の勢いが踵を衝いた時に吸収しきれずに力を逃がすように側方スウェーも出やすくなります。
今回の歩行前半層でスウェーの原因で多いのはこの二つの筋肉です。
逆にこの筋肉の硬さを取ることでスウェーが減り、腰痛も改善されていきます。
筋膜リリースの方法
内転筋の筋膜リリース
内転筋のリリース方法はそのままですが、このように手で内転筋を横断するようにゴリゴリと圧をかけながらほぐして下さい。
これを膝の近くから付け根の方まで全体を緩めていくと少しずつ脚が広げられるようになります。
もし筋膜リリースのローラーなどをお持ちの方はローラーでこのようにほぐしてみて下さい。
道具だと付け根に近い部分はほぐれにくいので、付け根の方は手でほぐすことをお勧めします。
ハムストリングスの筋膜リリース
ハムストリングスは太ももの裏にある筋肉なので、触ること自体はそれほど難しくはありません。
出来る方は手でそのままほぐしてもらっても大丈夫です。
ただ手だと大変だと思うので、おすすめは野球ボールを使います。
場所はこの辺りです。
個人的にはここはローラーではほぐしにくい場所だと思います。
座った状態でもも裏にボールを置いて、太ももでボールを押しながら転がしてハムストリングスをほぐしていきます。
縦に長い筋肉になるので、ボールの位置を変えながら広めにほぐしてみて下さい。
いつもは5分程度を目安にしてもらうのですが、もも裏には脂肪もありほぐしにくい場所になるのでいつもより多めに10分程度ほぐしてみて下さい。
最後に
今回は歩行時の片側性の腰痛でお困りの方に向けて解説を行いました。
この症状のせいで長時間歩くのが不安な方もみえるのではないでしょうか。
日常では問題ないからと整形や接骨院に通院していない、もしくは通院しても良くならなかった方もみえると思います。
しかし、このような症状にも必ず原因はあります。
最初にも少し書きましたが、今回は歩行の前半層で痛みが出ている方をイメージして書きましたが、
今回とは別で後半層(脚が後方に伸びた時)に痛みが出る方もみえます。
一度痛みが出てしまうと常に痛くなってしまうので、自分がどちらに当てはまるかわからない方も多いと思います。
そんな方はまずはこの方法を1週間ほど試してみて下さい。
それで少しでも改善されるようであれば今回のパターンの可能性が高いと思います。
もし変わらなければ後日また後半層で痛みが出る方の原因と筋膜リリースの方法を解説するので、
そちらを参考にしてみて下さい。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
柔道整復師 服部 耕平