研究所

有痛性分裂膝蓋骨の原因

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お皿が割れる原因は?

 

分裂膝蓋骨になりやすい部位は膝のお皿の上外側と言われています。

 

 

僕が今まで見させて頂いた患者のほとんどがこの部位で分裂しています。

 

(引用 標準整形外科学 第11版 p626)

 

 

この部位には大腿四頭筋の中の外側広筋が付着しています。

 

 

 

10代のまだ骨が柔らかい時期に外側広筋に負担をかけすぎると、牽引力でお皿が分裂します。

 

 

 

ここで大切なのは分裂してしまったから痛みが出ているというわけではありません。

分裂部に牽引ストレスが加わることで痛みが出ます。

 

つまり、分裂していても外側広筋の牽引ストレスさえ減らせれば痛みは改善されるという事です。

 

牽引ストレスがなくなれば炎症も次第に治まるため、押したときの痛み(圧痛)も次第になくなります。

 

 

なぜ外側広筋に負担がかかるの?

 

ここがとても重要な部分です。

 

四頭筋の一部である外側広筋になぜ負担がかかるかという事です。

 

これは、筋肉は基本的には引っ張られるとそれ以上引き延ばされないように縮もうとします。

 

 

これをエキセントリック収縮と言ったりします。

この時の力が筋肉の使い方では一番強いと言われています。

 

これが外側広筋に起こっている状態が膝のお皿には一番負荷が加わります。

 

では、どうなったら外側広筋にエキセントリック収縮が起こるかという事ですが、

これは太ももが外に捻じれる事で起こります。

 

 

簡単に言うとO脚のようなイメージですね。

 

太ももが外に捻じれるとこの外側広筋が引き伸ばされるため、それ以上引き延ばされないようにエキセントリック収縮が起こります。

それによって外側広筋が付着している膝蓋骨の上方外側には牽引力が加わります。

 

 

これが10代のまだ柔らかい骨に繰り返し起こることで亀裂ができ始め、膝蓋骨が分裂します。

 

 

 

有痛性と無痛性

 

正直、分裂膝蓋骨の原因自体はまだ100%はわかっていいないと言われています。

もしかしたら遺伝的な要素もあるかもしれません。

 

ただ、分裂膝蓋骨自体は正直それほど問題ではありません。

問題は有痛性という部分です。

 

分裂膝蓋骨には痛みの無い無痛性のものもあります。

お皿が分裂していてもこの無痛性の場合それほど問題視されません。

実は分裂しているけど気付かずに生活をしている人もいると思います。

これによって分裂している事で痛みが出ているわけでは無いという事が言えると思います。

 

この無痛性と有痛性を分けるのが先ほど説明した、外側広筋のエキセントリック収縮が過剰に起きているかという部分になります。

 

この体の使い方を修正できるかが一番のポイントになります。

 

 

有痛性分裂膝蓋骨は手術を勧められるケースもあります。

しかし僕が基本的には手術は必要ないと考えているのはこういった背景があるからです。

 

ほとんどの場合はこのエキセントリック収縮を解決することで痛みはなくなります

 

 

 

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